第15章 君が生まれた日※
(…やっちまった…。)
居た堪れずに男根を抜き取るとほの花の顔を見ることもできない。
怒りに任せて自分の女抱いて、避妊してやらないなんて鬼畜の所業だ。
それなのに耳に響いたのは優しい声で思わず彼女を見遣る。
「…宇髄さん…?大丈夫、ですか?」
大丈夫なのか聞くのは俺の方。
ほの花は何も悪くない。
いや、誕生日の件は悪いが…。
この強姦紛いの情交は絶対に俺が悪い。
「……悪い。痛かったろ。ごめん。」
よく見たら布団も敷かずに冷たい畳の上で抱いてしまっていた。
何という惨状だ。
「私の方こそ、ごめんなさい。誕生日のこと言うの忘れてました…。わざとじゃないんです…。毎日が本当に幸せで忘れちゃってました。自分の誕生日なんか忘れるほど。」
「"なんか"っつーな。お前の誕生日はお前が生まれた大切な日だろ。」
そんな大切な日を祝ってやりたかったのにこんな風に酷い情交を強いり、挙げ句の果てに膣内射精だ。
最早、フラれても致し方ない状況。
「…ありがとうございます。生まれて良かったです。宇髄さんと出会えたし、私、幸せです。」
それなのにそんな風に優しく笑うほの花の顔を見ていられなくて抱きしめた。
「…俺のことフラねぇの?こんな酷いことしたのに。」
「…え?!な、何で私が?!宇髄さんの方が…私と別れたいって思ってるんじゃ…。」
「はぁ?んなわけねぇだろ!…たく、クソダセェな、俺。お前傷つけて挙げ句の果てに避妊もしてやらずに。」
「…月のモノは終わったばかりなので大丈夫ですよ。心配しないでください。」
そうやって悲しそうに笑うほの花に発言を間違えたことに気付く。
ちげぇだろ。避妊がどうのって…それじゃあ俺が情交だけしたい男みたいじゃねぇか。
「あー、悪ぃ。違う。お前はどう思ってるかしらねぇけど…俺はいつかお前との子が欲しいって思ってる。だけど今日のは怒りに任せて、しちまったから。ごめん。でも、万が一そうなっても俺は後悔はしねぇ。遅かれ早かれお前は俺のとこに来てくれるんだろ?」
いつもみたいに強気に言えないのはほの花に断られるのが怖いから。
抱きしめている腕に力が入るとコクンと頷いたほの花にひどく安心した。