第15章 君が生まれた日※
鍛錬は久しぶりだったので慣れるまで準備運動と筋力と持久力を重点的に行ったが、宇髄さんの疲労感がエゲツない。
私ではない。
宇髄さんの。
「……あー…乳がチラチラ目に入って勃っちまいそうになるのを必死に我慢してたからすげぇ疲れた…。」
「…なんかすみません。」
「ちょっと…一発、駄目?」
「へ、…へ?!いや、こ、こんな明るいうちから駄目です…!!私、この後産屋敷様のところに行くんです。」
こんな陽の高い内から何と言うことを言ってくるのだ。しかし、その顔は至って真剣。
情交時の時のようなギラギラとした目で見つめられると気持ちは揺らぐが、時間がそれを許さない。
「…こんな俺を置いて他の男のところに行くのか…。」
「…いや、産屋敷様です。私たちの当主です。か、帰ってきたら…!夜に…!」
体調不良もあったのでもう10日間ほど彼とそう言うことはシていない。
里に一緒に帰ってからというもの、彼との関係性は今までよりも格段に甘く深いものとなった。
彼に対する遠慮は格段に減ったし、師匠としてより恋仲として甘えることが多くなった。
情交も帰ってきてから時間さえあれば毎回シていたので彼が此処まで悶々としているのは理解できる。
体調不良だった時は私の体を気遣って、情交はシないのに寝る時は抱きしめて寝てくれたりしていた。
夜に任務でいなくても朝起きたら帰ってきていた彼の腕が巻き付いていたので、ほぼ毎日温もりを感じていたと思う。
「…夜、ねぇ…。俺、派手に一回じゃ終われねぇ気がするけどそれはいいよな?いま我慢するならそれくらいいいよな?」
私の腰を抱き寄せて、少し低めの声で耳元で囁かれると、まるでシているときのようでビクンと体が震えた。
「ふぇ…!?あ、えと、お、お手柔らかに…お願いします…!」
「お前、変な反応すんなって…。本当に今押し倒したくなるだろうが。」
そう言うならば、耳元で色っぽい声で囁かないでほしい。私の反応は全て自分由来だと言うことに何故気付かないのだろう…。