第15章 君が生まれた日※
「地味地味ですよ、宇髄さん。」
「………はぁ?!てめぇ、何だと?!俺はただお前が心配で…!」
「分かってますよー。でも、それだと鬼殺隊になった意味ないんです。心配かけて申し訳なかったですけど、宇髄さんの継子としてもっと戦果上げたいんです!宇髄さんだって褒めてくれたじゃないですかーー!」
「そ、それは…そう、だけどよ。」
珍しくめちゃくちゃ歯切れの悪い宇髄さん。
よっぽど心配をかけてしまったのだと言うことは伝わるが、それでは彼の継子になった意味も無くなってしまう。
産屋敷様は彼に実戦での戦い方を教えてもらってと言った。鍛錬すらさせてもらえないんじゃ何の意味もない。
「……じゃあ…教えてくれる人のとこに行きます!!」
「ちょーーっと待て!!わーったって!!鍛錬な。派手にやるぞ、派手に!!」
「はい!派手派手にやりましょう!」
しかし、こう言う時の宇髄さんの扱い方はだんだん分かってきていた。
彼は私との時間を大切にしてくれてるし、手元に置いておきたいと思ってくれているようだからちょっと持ち出せばすぐにそう言ってくれると思った。
にんまりと笑うとため息を吐きながら履物を履いてくれた。
私もその横に座って同じように履いていると急に手を掴まれて体の向きを変えられる。
まだ不満が解消していないのだろうか。
少しだけ怖い顔をこちらに向けていた。
「お前、隊服そんなんじゃなかったろ。此処にあったピロピロは?」
「…ぴ、ぴろぴろ…?」
彼の目線は私の胸元に注がれていて指で其処にツンと触れた。
彼に触れられるだけで顔に熱が溜まる私は慌てて記憶を手繰り寄せる。
そこにあったピロピロはというのは多分モスリンのことで、隊服の布面積が少ないから私が後から付けたやつで…
(……あれ?何でないんだっけ…?)
確かにそこにあったモスリンは忽然と姿を消していた。
「…どこに行ったんですかね?」
「こっちが聞きてぇわ。乳が出過ぎだろうが。そんな格好で絶対外出んなよ。」
不機嫌です!と顔に書いてある宇髄さんを見ると彼も私に負けじ劣らず"すぐ顔に出る"と思う。