第15章 君が生まれた日※
「だぁーーーっ!お前、まだ無理すんな!鍛錬はいいって!寝てろ!」
「…………。あの、宇髄さん…」
「メシは?ちゃんと食えたか?月のモノが終わったからっていきなり始めなくていいから。」
しのぶさんのところから退院して今日で一週間になる。此処に帰って来れたことが本当に嬉しかったし、早く普通の生活に戻りたいと思っていたのに……
「宇髄さーーーーん!!!!」
「あ?何だよ。」
「わーたーしーはー!もうー健康ですーーーー!!!!いつまでも安静にしてたら体が鈍ってしまいます!今日から鍛錬します!よろしくお願いします!師匠!」
この大好きで大好きでたまらない宇髄さんが心配性すぎてなかなか普通の生活に戻れない。
退院してからものの数日で目眩とかは治まっていたと言うのに月経が終わってなかったことを理由に鍛錬をさせてもらえない日々が続いていた。
「……だ、駄目だ。恋人としては派手に認められないな!」
「鍛錬に私情を持ち込まないでくださいよー。」
「うるせぇ!駄目なもんは駄目だ!」
頑なにこうだ。
最初は「師匠として月のモノが終わるまで鍛錬は認めない」と言ってきたので仕方なく終わるのを待っていたのに、今度はコレか。
お手上げ状態だ。
「…あの、何でそんなに駄目なんですか?実戦での感覚を忘れない内に鍛錬したいんですよー。」
私とて鍛錬が好きなわけじゃないが、鬼殺隊として戦っていくためには復習はしたいし、そのためには柱である宇髄さんくらい強くて頑丈な人と鍛錬したいのだ。
尚も難しい顔をして顔を背ける彼が言いにくそうにボソッと呟いた。
「…もう鬼狩り行かなくてもいいんじゃね…?」
それはまぁ小さなお声で。
いつも派手派手な彼が、それは地味地味に言ってきた言葉がまさかの鬼狩り反対発言。
柱としても、師匠としても、鬼殺隊としても絶対駄目な台詞だ。
だけどそれがこの前私が倒れて心配させたからと言うのは重々わかるので目を背けてため息を吐く宇髄さんの手を握って言ってみた。