第14章 【VD特別SS】初めての愛をあなたに…※
やっぱり三人は私の護衛だったあの三人のことが好きなのかな…。
私がこの三人に感じていたことと同じことを感じているようでなんだかむず痒い感覚になる。
奥底から湧き起こるその感覚を我慢できずに私は吹き出してしまった。
「…ぷっ、あ、っはははははっ!や、やだぁ、皆さんもだったんですね…?ふふ、あっはははっ…!!とまんないっ、ごめんなさい、あははっ!」
「「「………。」」」
分かってしまうと何だか自分がモヤモヤと思っていたことが急に馬鹿馬鹿しく思えてきて三人に申し訳ない気持ちになった。
あまりに笑いが止まらないのでポカンとこちらを見たまま固まってしまっている三人に頭を下げて謝る。
「ご、ごめんなさい…!私も皆さんに同じ感情を抱いてしまってたんです。宇髄さんのこと私より知ってていいなぁ…って。凄く羨ましかったです。なので、お気持ちわかります。ふふ。」
「えっ??ほの花さんも?!」
「私たちにとって天元様のことは家族同然で…!」
「そうですぅーー!羨ましいのはこっちですぅーー!!」
そう、宇髄さんもそう言っていた。
そして私もあの三人とは家族同然。みんな一緒なのだ。羨ましいなぁと勝手に感じることは仕方ないが、その感情が自分だけでないと分かっただけでも心が軽くなる。
「彼らのこと私から聞きたいです?聞きたいことがあれば私に分かる範囲でお答えしますけど、そう言うのって本人から聞きたくないですか?」
私ならこの三人に聞かされるよりも宇髄さんから直接聞きたい。
この三人が嫌いなわけではない。むしろ大好きだ。でも、好きな人のことは好きな人から聞きたい。
女心は小難しいのだ。
「…そうですね。だからちょっとモヤッとしたんですね。次からは本人に好みを聞こうと思います。」
雛鶴さんがそう言うとまきをさんも須磨さんも大きく頷き、四人で笑い合った。
好きな人を想う気持ちは同じ。
大好きだからこそ独り占めしたくなってしまうものなのだ。