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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第2章 興味本位




ほの花が突拍子のないことを聞いてきたことでその空間だけ時間が止まったように感じたが、どうやら彼女は冗談を言っているのではないようでその目はとても真剣だったので俺は体を起こしてほの花を見つめた。


「…何でそう思ったんだよ。理由があるんだろ?」

そうだ。そんな不思議な能力があるか聞くならばそういう経験や体験がないと考え付かない。普通ならば"吐いたことで気分が良くなった"で終わりだろう。
しかし、俺の発言が尋問のように感じたのだろうか。ほの花は言葉を飲み込み、言おうか迷っているような様子を見せている。

「言いたくないなら別に構わねぇけどよ。誰かに話した方が楽になることもあると思うぜ。」

「…え、と…。」

尚も目を彷徨わせている彼女に無理強いをさせるわけにもいかないので今日のところは諦めるかと思い、声をかける。

「ま、お前は継子になったわけだし、何かあれば遠慮なく言えよ?」

無理して聞き出そうという気もなかったので、ぽんと頭を撫でてやると一足先に部屋に戻ろうと立ち上がった。

すると、ツンっと裾を遠慮がちに引っ張られたので下を向くとほの花が俺の夜着を掴んでいた。唇を噛み、少しだけ泣きそうな表情にも見える。
仕方なく、彼女の前に再び屈んでやると目線を合わせてやった。

「ん?言いたいなら聞いてやるぞ?」

「……誰にも、言わないでくれますか?」


彼女の悲痛な想いを聞いて、ただごとじゃない内容だと固唾を飲む。だけど、乗りかけた船だ。ここで放り出すようなら男が廃るというもんだ。

「ああ、言わねぇよ。約束する。」

そんな口約束だけでほっとした表情をしたほの花は言いにくそうにポツリポツリと話し出した。

その内容は俄には信じ難い内容だが、嘘を言っているようにはとても見えなかったのでほの花の言葉一つ一つを確実に咀嚼して飲み込んでいった。


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