第13章 オンナノコの初任務
「なに、お前メシ食えねぇの?」
「食べられないわけではなく…食べ続けられないと言うのが正しいというか…。起きていられなくて…。」
「つーか、本当に大丈夫かよ。まぁまぁ酷いじゃねぇか。」
胡蝶から受け取った膳を見ると明らかな病人食。粥やら、柔らかく煮た野菜やら、豆腐やら…。
出会った時こそ食欲がなくて心配したが、それから元気になったほの花は頗る食欲旺盛だし、甘味ならば永遠に食ってる。
あんなに食ってよく太らないなと思うほど華奢で線が細いくせに。
雛鶴たちがよくほの花のその体質を羨ましがっているのを目にする。
…ということは…
「おい、ちょっと悪ぃな。」
俺は膳を一旦、横にあった棚に置くと徐にほの花を持ち上げた。
「ひゃあっ…!え、う、宇髄さん?!し、しのぶさんに怒られますよぉーー!」
「阿呆か。何もしねぇよ。目方の確認するだけだ。」
「め、めかた…!?ちょ、やだーー!やめてくださいよー!恥ずかしいですーー!」
「恥ずかしがってんじゃねぇ!毎日抱き上げてんのにお前の目方がわからないわけねぇだろうが。」
腕にかかるほの花の重さは呆れるほどに軽くてため息が漏れ出た。
体質なのは仕方ないが、ほの花は恐らく割と細い割に筋肉量が多いのか痩せやすい。あれだけ食べても太らないのはその為だろう。
「…たった二日で派手に痩せたな、お前。」
「え?痩せました?!わーい!!」
「わーい!!じゃねぇよ!馬鹿なのか、お前は!そういう痩せ方じゃねぇだろうが。」
「えー…、女子としては寸分でも痩せると嬉しいものなんですけどね…。」
女心は全くわからねぇが、ほの花はそれに当てはまらない。あれほど同性からも美人だの、綺麗な体型だの言われているのにどこを痩せたいというのだ。
理解に苦しむ。
「痩せんな。馬鹿が。その痩せ方は体力も筋力も落ちるぜ。しっかり食って元に戻せ。いいな。」
そう言うと不満そうな顔をしながらも頷くほの花を再びベッドに横たえた。