第2章 興味本位
久しぶりに大人数で食事をして、正宗たち以外と話せたのは心地良い疲労感で素直に楽しく感じた。あれ以来、心から笑うことなんて出来なかったが、ぎこちなくではあるが心に少しずつ余裕が出てきたように思う。
宇髄さんが気にかけてくれていたので、いただいたお粥のみきっちり食べて、無理せず食べなかったら吐き気もなく、久しぶりにとても気分がよかった。
お風呂に入らせて頂き、与えられた部屋から外を見てみると星が綺麗で降ってくるようにも感じた。手を伸ばせば届くのではないかと思うほど。
亡くなった人は星になるとはよく言ったもので、その時やっと家族や里の人たちが亡くなったことを受け入れられたのかもしれない。
急に空で瞬く星が彼らに見えて、空から見守っているように感じたのだ。
そう感じてしまうともっと近くで見たくて縁側から屋根の上に飛び上がる。身のこなしは衰えてないようでほっと一安心した。宇髄さんの屋敷はとても立派で屋根瓦もとても綺麗なので、壊さないようにそぅっと腰掛けて、そのまま寝転がった。
すると、思った通り降ってくるような満天の星空に思わず口角が上がった。
「…綺麗ー…。」
そう呟いた時、下で襖の開く音がしたので反射的に起き上がる。誰かまだ起きていたのか…。もう皆寝てしまったと思っていたので、次の瞬間下から飛び上がってきた人物に私は思わず声を上げてしまうほど驚いてしまった。
「はぁ…あのなぁ、おまえ、仮にも体調不良なんだから大人しく布団で寝ておけよ。」
「す、すみません…!あまりに星が綺麗だったので…つい…!」
謝ったはいいが……宇髄さん??
声は宇髄さんだけど、髪を下ろしていると一瞬誰なのか戸惑ってしまった。
それにしても本当に綺麗な顔をしている。こりゃ奥方が三人もいるのは肯ける。
念のため、宇髄さんに本人確認をするとやはり正解で星を見ていたことを伝えるとまじまじと顔を見て眼福を楽しんでしまった。