第13章 オンナノコの初任務
数名の鬼殺隊士の人たちと落ちあうと鬼が出たと言う場所まで慌てて走っていく。
「君って…音柱様のところの…?」
「あ、そうです!神楽ほの花と申します!よろしくお願いします!」
「よ、よろしく…!俺は村田。今日は音柱様は…い、いないよな?」
「え?はい。宇髄さんは別の地区の警護に行かれています。」
「そうか!良かった!!」
何が良かったのだろうか?
私が来るよりも宇髄さんが来た方が遥かに安心できるというものだ。
少なくとも安心材料として私は柱とは比べ物にならないほど弱いと思うのだが…?
何故か他の隊士もホッとしたような顔をしているのが不思議でならない。
(…宇髄さんの鍛錬厳しいからひょっとして恐れられているのかな?優しいんだけどなぁ、実は。)
「あの…私なんかより宇髄さんが来た方が遥かに心強くないです?」
「いや!音柱様がお一人でいらっしゃるならそうだけど神楽さんも来るなら…ちょ、ちょっと…なぁ?」
コクコクと頷く他の隊士の反応も全く同じでわけがわからない。
それよりも私はこの走る速さでも肩で息をしてしまっていて情けなくて仕方がない。
いつもであればこれくらい大したことないのに、こんなことで息が上がっていたら宇髄さんの継子としても恥ずかしくて仕方ない。
彼にも恥をかかせてしまう。
(…絶対にそれだけは嫌…!!!)
自分の体調不良や月経事情など言い訳に過ぎない。
私は大きく息を吸うと極力体全体に酸素を行き渡らせるように重きを置くと、走ることに集中した。
呼吸は使えなくても宇髄さんからは基礎体力の向上と実戦での戦い方を死ぬほど教わってきた。
絶対に足手纏いになりたくないし、彼にも恥をかかせない。
強い決意を胸に鬼の気配がする町へと足を踏み入れた。
(…嫌な気配がする。きっといる…。)
「神楽さん、情報によると複数の鬼がいるらしいから油断せずにいこう!」
「了解です!」
その町は異様なほど静まり返っていて、月にかかる妖しい雲が不気味さを醸し出していた。