第11章 ヨリミチトキミノミチ※
朝起きて、美味しい朝ごはんを食べて大浴場という内風呂に行くのを楽しみに…ああ、それは楽しみにしていた私。
「悪かったって。そんな怒んなよ。ほの花ちゃーん。な?こっち向けよー。」
「足がガクガクで立てない…」
「俺が運んでやるって!大丈夫だって。」
「お股がヒリヒリするって昨日言いましたよね?!」
「…い、言ったっけな〜?忘れちまったぜ!」
宇髄さんと初めて本音で話して号泣した後も色んな話をした。
産屋敷様に仕えた時のことや鬼狩りを始めた時のこと。忍として地味に生きてきたのが嫌だったこと。温泉が好きで秘湯探しをするのが趣味ということ。
彼のことを知れることは脳が満たされていくように嬉しかったのに、夜も更けてきたので寝るかとなったとき、何故か一つの布団で体を寄せ合った瞬間。
宇髄さんが「…勃った。」と絶望的なことを言い放った。
先ほど教えてもらった手淫とやらをするか聞いても「布団でほの花を抱く!」と聞かなくて気づいたらあれよあれよと浴衣を剥ぎ取られて三回目とは思えないほどの精力と体力を見せつけてきたのだ。
もちろん私にそんな体力は残っていないため、早々に意識を飛ばしたのに、あろうことか起こしてきた宇髄さん。
目が覚めた瞬間に下から突き上げられる快感を味わうという拷問。意識を飛ばしてはまた起こされ、飛ばしてはまた起こされる…。
声が枯れ果てた頃、漸くその情交は終わりを告げ、死んだように眠りこけた。
しかし、朝起きた時、自分の体の痛さに白目を剥いた。
腰も脚もガクガクだわ、お股はヒリヒリしてるわ、背中も腕も体の全てが筋肉痛のような痛み。
そして声も心なしかガラガラ。
彼の絶倫ぶりには驚かされたが、私の機嫌は頗る悪い。
「…暫く夜は致しません。」
「は、はぁ?ちょ、悪かったって!俺死んじゃうから!無理無理!」
「致しません!!」
「ごめんって!ほの花〜!許してくれ!ヤリすぎて悪かったって!」
情交しないくらいで死にはしない。
しかし、あまりに必死に謝罪と懇願をしてくる宇髄さんが可愛くてその日一日はここぞとばかり甘えまくってやったのだった。