第11章 ヨリミチトキミノミチ※
【オマケ】
「あ!温泉をこの容器に入れてきてください!」
足腰が痛くて動けないほの花が俺にそう言って渡してきたのは小さなガラスの容器。
ここに来る前に言っていたほの花の言葉が甦ってきてジト目で見てやる。
「…お前まさか本気で成分調べんの?」
「え、本気ですけど何か?」
「……薬馬鹿…」
「何ですか?文句あるなら大きな声でどうぞ?そのかわり一ヶ月間は致しませんから。」
「すぐ入れてくるぜ!いやぁ〜、俺も今言おうと思ったんだけどな!ハハハッ!」
これ、暫くほの花に頭上がらねぇヤツじゃねぇかよ。
俺、柱なのに。
継子の恋人に尻に敷かれるなんて派手にカッコ悪ぃぜ。
だけど、本気で怒ってるほの花を見れるのは少しだけ嬉しい気分になる。
(…仕方ねぇか。惚れた弱みっつーことだな。)
俺はいそいそと可愛い恋人の頼みを聞くべく部屋についてる温泉の湯を汲みに行くのだった。