第2章 興味本位
「ほの花さーん!たーくさん食べてくださいね!!」
「そうですよ!細いんですから!わぁ、肌がすごく白くて綺麗〜!!」
「こーら、二人とも。ほの花さんが困ってるでしょ?」
どこに座ったとしてもほの花に絡むんじゃねぇか。とここまで出かかったが、飲み込みそのやりとりを呆れながら見ている。
しかし、ここで俺は大事なことを思い出す。
隣に座るほの花は苦笑いしながら勧められる料理を少しだけ食べてはいるが茶を飲むばかりで食は進まない様子。
(…そうだった。コイツ、体調悪ぃんだった。)
何故そんな大事なことを今思い出すのだ。あまりに配慮が足りなかったと脳内反省会をすると、ほの花に声をかける。
「おい、無理に食わなくてもいい。飯を粥にしてやろうか?」
「え…?!あ、ご、ごめんなさい…!あの、あんまり食べられないですが、本当にお気遣いなく…!」
俺たちの会話に騒いでいた三人が揃ってこちらを注目するものだからほの花は申し訳なさそうに縮こまった。
「ひょっとして…ほの花さん、食欲ないんですか?」
雛鶴の言葉に何も返せず、もごもごと俯くほの花。あんなに吐き戻すくらいだ。
こんな大量の料理を食べるのは不可能のはずだ。
「そうだったんですね…?!すぐにお粥にしてきますよ!」
「あ、その…大丈夫です!食べられるだけ食べますので…。」
尚も遠慮するほの花に目の前に置いてある茶碗を取り上げて、雛鶴に渡してやる。
「雛鶴、頼んだ。」
「はい!天元様。」
その後ろ姿に泣きそうなほど落ち込むほの花の背中をぽんと撫でる。
大体、それでまた"出会って三秒嘔吐事件"がここで再現されても困るのだから大人しく粥でも食べてもらいたいものだ。