第2章 興味本位
四人の部屋の準備をして客間に戻ると、座卓にこれでもかという量の料理が並べられていてほの花達が放心状態でそれを眺めていた。
確かに今日は人数は多い。
いつもの四人に付け加え、今日からほの花達四人もいる。しかし、これは軽く見ても10人前はありそうだ。
まぁ、さっきのあの三人の興奮度合を見たらこの有様も納得せざるを得ないが。
「あ!天元様ぁ!!やっと来たぁ!乾杯しましょうよぉっ!」
「ちょっと須磨、あんた退きなさいよ!私がほの花さんの隣よ!」
「い、ったーーい!!うわぁーーん!まきをさんの意地悪ーー!!」
早く乾杯しろと言う割には今度はほの花の隣をどっちが座るかで揉め出して間に挟まれたほの花はどちらを慰めたらいいのか困ってキョロキョロしている。
仕方なく、雛鶴に目配せをすると頷いてくれたので揉めてる二人を窘める。三人とも仲は良いのだが、まきをと須磨はよく喧嘩をしているのでそれを宥めるのが雛鶴と言ったように姉妹のような関係が築かれている。それも彼女達と家族のような関係だと言える一因でもある。
「ほの花、悪かったな。お前はここに座れ。」
そう言って自分の隣をぽんと叩くと、恨めしそうにまきをと須磨に見られるが、そんな目で見られてもそこで喧嘩が勃発するくらいならこれが一番得策だろ?
ほの花がコクンと頷き、隣に座ったのを確認すると猪口を掲げる。
「まぁ、こんな騒がしい家だがお前らを歓迎する。」
俺がそれをクイっと飲み干すと、皆それぞれ手に持っていたものを飲み干した。隣をチラッと見ると湯呑みを持ったまま微笑んでいるほの花が目に入る。
散々否定したが、そもそもコイツを手籠になどしたらほの花の連れの三人よりこちらの三人にドヤされるのではないか。
俺は人知れず未だに騒がしいそちらを見るとため息を吐いた。