第11章 ヨリミチトキミノミチ※
「こちらのお部屋になります。大浴場もありますのでそちらも是非ご利用ください。」
「…あ、ありがとうございます!」
そう言って通された部屋はまぁ広くて、中央に座卓と座布団、そして仲居さんが持ってきてくださっだお茶と茶菓子がそこに鎮座している。
私がこんなにおっかなびっくりしていると言うのに宇髄さんは涼しい顔をして荷物を置くと即座にドカっと座り、お茶を啜っている。
「何してんの?そんなところで固まってねぇで座れば?」
「良いお部屋すぎて緊張してるんですーー!」
「はぁ?ったく仕方ねぇな」
そう言うと湯呑みを置いて立ったままの私の腰を抱いて、座布団に胡座をかいて座るとその中に私も一緒に座らせた。
「ほい。」と湯呑みを目の前に置かれるが、この体勢に彼は違和感を感じないのだろうか。
私なんて耳に彼の声が聴こえることも
背中に感じる温もりも
何もかも恥ずかしくてたまらないというのに。
「…すーぐ心臓煩くなるなぁ。ほの花は。そんな俺といるとドキドキすんの?」
「え…?!な、な、な?!」
何故心臓の拍動がうるさいのが分かるのだ。チラッと後ろを向いたら最後。
簡単に唇に温かい感触を感じた。
「ん、ッ、ふぅ、う、宇髄さ…。」
「ヤラシイ声出すなって。まだメシも風呂も入ってねぇのに抱きたくなるだろうが。」
「そ、そんなこと言っても…!んんっ、ッ」
そうさせてるのは誰なのだ。
宇髄さんが何度も角度を変えて、口づけをしてくるのだから息をする暇もない私が変な声を出してしまうのは致し方ない。
そんな私の心の叫びが通じたのか唇を離してくれた宇髄さんはそのまま私の肩口に顔を埋めた。
「はー…もうやめとこ。俺が勃っちまう。」
「へ、ええっ…?!」
「そんな驚くとこかよ。お前のこと考えたら高頻度で勃たせる自信しかないぜ、俺は。」
あまりに生々しい会話を繰り広げる宇髄さんに私の顔はおそらく真っ赤に染まっているだろう。
顔が熱くて仕方ない。