第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※
「…ごめん。ほの花。俺のこと殴ってもいいんだぜ?」
「…え?」
「また、我慢させただろ?俺が悪かった。ごめんな。」
恐れていたことが起こってしまったのではないか?
俺はいつもいつもほの花を我慢させてきた。
気づかないうちに本心を言えない環境にして、こうやっていつだって我慢させて、無理に笑わせていた。
気にしてない素ぶりをさせていた。
ニコニコと優しい笑顔の下でどれほど泣いたことだろう?
本当はずっとずっと我慢して悲しかったに決まっている。それでも俺や元嫁達に悟られまいと必死に取り繕ってるいたのだ。
それを知ったのは奇しくもコイツが生死を彷徨っている時だった。
もう二度と我慢させたくない。
もう二度と泣かせたくない。
自分がほの花に対して溺愛して止まないのはその為もある。
「…我慢?え?して、ないけど…?」
「嘘つかなくていいって。俺が…独占欲を押し付けたから…ごめん。これからは…な、なるべく…が、我慢、する…」
……と思う。
断言できないのは俺がほの花を好きで好きでたまらないからだ。
どうしても目の前にしたら誰の目にも触れさせたくない。俺だけのモノにしたいと思ってしまう。
俺が心の中で葛藤をしているというのに、ほの花はこちらを見て首を傾げると一度俺の目を見てからニコッと笑った。
「我慢なんてしなくていいし、私も我慢してないよ?えっと…実はやっぱり午前中あそこで座ってたから布団入ったら疲れてたみたいですぐ寝ちゃって…。あはは…天元が言ってくれなかったら…多分また熱出してたと思う…」
「へ…?お、おい…大丈夫か?」
「うん!大丈夫!寝たら治った!!だから謝ることないよ。むしろありがとう。」
ニコニコと尚も変わらず笑顔を向けるほの花に悲壮感はない。
本当に"助かった"と思ってくれているのか手を合わせて『ありがとうー』と言いながら頭を下げている。
どうやら本当に昼寝で体力回復したのならば良かったとは思う…思うけども…
「でもよ…やっぱり、ごめんな。俺も…お前のこと好きすぎてよ…ちょっと独占欲押し付けすぎたわ。気を、付けるからよ…。」
ホッとしたような気持ちもある。
でも、まだどんな反応するのが正しいのかわからないと言うのも本音だ。