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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※





ピシャリと閉じられてしまった襖の奥からはゴソゴソと布団に潜り込む音が聴こえてくる。



こんなはずじゃなかった。
そもそもほの花のことを思い通りにならなければ邪魔だなんて思うわけがない。

ほの花がどれほど自分にとって大切でかけがえのない存在なのか言わずとも分かっていてほしいという欲はあるが…。



だが、今のは俺の言い方が拙かっただろう。



完全に自分の嫉妬をほの花に向けて当たり散らしただけだ。
悪いことをしてしまった。



「ごめんな…」



小さく呟いた謝罪はほの花には届かないだろう。これを食べ終わったらすぐにまた稽古に戻らなければならない。

そばにいて抱きしめて仲直り…と、しけ込みたいところだが、そんな時間もないのがもどかしい。



ほの花の分のおにぎりを部屋の中に入れてやると、すぐにだらけきった隊士たちの元に叱咤激励をしに向かった。



「あれー?!天元様、ほの花ちゃんはお昼寝ですかぁー?」


「…ああ。須磨、悪いけど、あとで様子見に行ってやってくれ。」


「はぁーい!!おやつ持って遊びに行って来ます!」



おにぎりを乗っていた皿を渡しに行くと須磨が声をかけて来たので、狡いとは思ったが様子を見に行ってもらうことにした。


今の俺が行っても、火に油を注ぐか…また我慢させてしまうかもしれない。
アイツはすぐに自分の気持ちを押し殺すところがある。


次に顔を合わせた時に何事もなかったかのように笑顔で接してくれたらその時点で俺の負けだ。
今心の整理をして、俺の言葉を受け入れようとしているのならばそんなことは望んでいない。


もっと俺に噛みついてくればいいし、怒ったっていい。

気持ちを押し殺して一人で泣くくらいならば俺にぶつけてくれていい。



「…とりあえず、稽古が終わったら話さねぇとな…。」



タイミングが悪いにも程がある。
こんな時に柱稽古とは。


いや、タイミングのせいじゃない。
俺がほの花に一方的に想いを押し付けた結果だ。


「よーーっし!お前ら、昼寝してる場合じゃねぇーぞ!!!走り込み100本いってこい!!!俺は今、むしゃくしゃしてんだ!!」


「「「「横暴!!!!」」」」



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