第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※
「お前らぁーーーーー!!怠けるんじゎねぇええええ!!!死ぬ気でやれ!!こんなところで怠けてたら秒で死ぬぞ!!!」
第一関門として依頼された柱稽古。
(まぁ、俺は元柱だが)
つい先日までは炭治郎、善逸、伊之助が此処にいたが、ほの花の記憶がなかったり、記憶が戻っても寝込んでいたりして結局ほの花とは会えずじまいだった。
アイツらが居なくなるとなかなか骨のある奴がいないのがどうにも鬼殺隊の未来が不安になる。
ほの花もほの花で鍛錬をしていた時はかなり骨のある奴だったし、女ながらに俺の鬼のようなシゴキに耐えていた。
まぁ、途中から俺がほの花を継子扱いできない問題に直面したが、それでも目の前にいるコイツらよりもキツいシゴキをしていたと言うのに…
「おいおいおい…ほの花はもっとキツいやつやってたんだぜ…?負けてもいいのか?お前ら恥ずかしくねぇのか?あ?まぁ、ほの花の可愛さには誰も勝てねぇけどな!ハハハッ!!」
(((((……結局、惚気…)))))
恨めしそうにこちらを見て来たところでこれくらいのことができずに上弦の鬼と戦うことなどできやしない。
俺は心を鬼にして、その日来ていた全員に同じ鍛錬を言い渡す。
だけど、遠くの方でこちらを見てニコニコと笑っているほの花を視界に入れるだけで心が温かくなっていく。
生きててくれるだけで良い。
記憶なんて戻らなくても良い。
記憶が戻らなかったとしてもまた自分の女にすれば良いだけのこと。
そう思っていた。
でも、こうやって記憶は戻ってきた。
もう何も望むことはない。
今の俺はそれほど満ち足りている。
きっと人間、満足すれば次の願いが出てくるのだろうが、今はほの花がそこにいるだけで幸せだ。
それ以上は求めない。
それだけでいい。
あの死の淵から帰ってきたらほの花に望むことなんてこれから先も俺の隣で人生を全うしてほしいと言うことだけ。
長い目で見て今はほの花を大切にしたい。