第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※
久しぶりに居間でみんなで食事ができるのはとても嬉しい。
何故なら記憶が戻ったその日の夜に一緒に食事して以来、何と二度目のことなのだ。
その翌日から私は高熱に魘されて、やっと今日平熱に戻って体のだるさからも解放された。
肉体的だけでなく、精神的にもかなり助けられた。病は気からと言うのは本当で、熱が下がったことで途端に元気になった気がするのは現金なものだ。
「ほの花ちゃん!おはよう!良かった、起きれたんだね?普通のご飯でいい?お粥作ろうか?」
最後に入ってきたまきをちゃんが矢継ぎ早にそう聞いてくれるが、すぐに首を振る。
「ううん。部屋でもみんなと同じごはん頂いてたから大丈夫だよ。作ってくれてありがとう…!」
「そんなのいいんだよ。そっか。それならたくさん食べてね。」
「明日からは家事も手伝うから…「駄目に決まってんだろ?」…ね、え?」
私の言葉を遮るようにして隣から聴こえたのは天元の声。
その言葉は真っ向から私の発言を否定するもので思わず目を見開く。
「え〜!?な、何で…!」
「お前は馬鹿なのか?今日漸く熱が下がったが、まだ病み上がりだ。無理するならまた部屋に押し込むぞ。」
「あはは!まぁ、天元様の言うこと聞いておいた方がいいよ。ほの花ちゃん。そんなこと誰も気にしてないからさ。」
あっけらかんと笑うまきをちゃんは雛ちゃんと須磨ちゃんと、顔を見合わせて穏やかに頷いている。
でも、流石にずっとこのままと言うわけにはいかない。天元は何かと理由をつけて私に無理をさせまいとしてくるけど、それはそれで私的にはあまり嬉しい問題ではない。
要するにまだまだ無理をさせたくない=手も出さないということなのではないか?と思ったから。
私はこんなに性欲が強かっただろうか。
天元は隣にいるのに抱いてくれなくて、しかもお風呂まで一緒に入っているのに下半身は反応もしていない。
いよいよ、こんな見窄らしい体だから性欲が湧かないのではないか?という不安ばかりが押し寄せてしまう。