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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第50章 【番外編】溺愛はほどほどに





「やぁ、こんにちは。」

「…あ、えと、こんにちは…。」


つい天元かと思って思いっきり満面の笑みで振り向いてしまった私は全力で後悔をした。
そこにいたのは天元と似つかぬ人物だったから。


しかも、誰だろうか?
玄関先とは言え、敷地に一歩足を踏み入れているということは家に用事なのかもしれない。



「…な、何か…?どなたに御用でしょうか?」


「ああ、用事があるのは君だよ。そうそう。たまにこの辺を散歩しているよね?以前見かけた時から綺麗だなぁと思っていたんだ。」


「それは…どうも…ありがとうございます。」


…と言うことは外で一度すれ違っていると言うことだ。
全く見覚えのない私は首を傾げるが、話の内容的にこんなところを天元に見られたらこの人、血祭りにあげられてしまうのではないかと気が気でない。


私は里にいた頃、本当に全く男性に相手にされなかった。
それこそ行き遅れる心配すらされていたと言うのに。

しかし、この町に来てからこうやって声をかけられることは数えただけでも数回はある。



もちろん雛ちゃん達に比べたら少ないだろうけど、それでもそんな事象は初めてのことで少しだけ嬉しかったりもした。
そんなことを天元に言おうものなら1ヶ月くらい床から出してもらえないかもしれないので言えないけども。



「いくつ?今度よかったら一緒に甘味でも食べに行かない?甘味は好きかい?」


「甘味…!は、好き…です…けど…」


思わず、甘味という単語に反応してしまったが、この人と甘味に行ったなんて天元に知られたらこの人、音の呼吸使われて消炭になってしまうのでは…!?

結局のところ、私がこうやって声をかけられるのは天元のおかげでもあるのだ。


正宗達によく言われることがある。


『ほの花様、宇髄様とご結婚されてから綺麗になりましたね。』


彼に一心に愛されて、毎日愛を囁かれる生活をしていれば自然と風貌も変わってくるのだろうか。


綺麗になったと言われて喜ばない女はいない。
それも昔から一緒に育った正宗達に言われるのは喜びもひとしおだ。

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