第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
この前、抱かれたけど、実は無我夢中で愛されていたのであまり覚えていない。
ただ彼とのセックスがすごく気持ちいいということだけ頭に残った。
今思えば頭に残ったのも気持ち良かったのも当たり前だ。
だって前世での私は天元にしか愛されていないのだから。
彼の大きな手が腰を撫で回し、臀部も優しく包み込む。
首筋にあった唇は今も尚、そこに滞在していて私の皮膚を甘噛みしている。
「ん…っ、て、天元…明日から…しごと…!」
『明日の朝、絆創膏貼ってやる。」
「な、…?!」
それは辞めないという意思表示。
前世では雛鶴さん達がキスマークをつけられる度に白粉を塗って隠してくれていたが、今は便利なものが普及したものだ。
絆創膏でも、コンシーラーでも何でも隠せるものがあるのだから。
驚いてワナワナと震えている私を置いてけぼりにして天元は再び首筋に吸い付くと甘い痛みを感じた。
「…オレのだろ?」
『そ、う、だけど…」
「なら、問題ねぇよな…?」
首筋に吸い付きながらもチラッと見上げるその瞳は獲物を狙う肉食動物のようだ。
そんな天元に今も昔も調教されて行くのだろう。
暁との行為の時など一度たりともキスマークをつけられたことなどなかった。
今世では初めてのことなのに懐かしいと感じることばかりだ。
気がつくと臀部に置かれた手はサワサワと再びそこを撫で回していて、その柔らかな手つきにぞくっとしてしまう。
暁との別れ話をするだけだったので、簡易的な部屋着を着ているだけなのにもうその服も脱いで天元と肌と肌とで触れ合いたい。
彼の風貌は少しも変わっていない。
派手な装飾や化粧は無くなっているけど、逞ましい体つきとこの温かい手は変わらない。
「…天元…、ベッド…行きたい。駄目…?」
「おいおい、随分積極的じゃねぇか。」
そうやって挑発するような視線を向けてくる天元だけど、彼のその言葉に間違いはない。
私は早く天元に抱かれたいのだ。
「…そうだよ…?早く、天元に抱かれたいよ…ベッド、行こ…?」
「…いつの間にそんなお誘いができるようになったんだ?ほの花…。そこまで言うならその体でオレの全身全霊の愛を受け止める覚悟はできてンだろうなぁ?」
しかし、ニヤリと笑った天元の顔に煽ったのは私なのに背中に冷や汗が伝っていった。