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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※





オレはほの花の家に向かうためタクシーを拾うと、伊織を引き摺るように連れて行った。


まさか浮気されていたことには驚いたけど、やはり不思議と怒りはない。
伊織に言われてハッとしたこともある。
オレは確かに自ら伊織を誘ったりしたことがあっただろうか?
いや、本人がないって言ってるのだからないのだろう。


何故?
いま思えば、心のどこかでずっとほの花を探していたのかもしれない。
無意識の中でオレはほの花を追い求めていて、それでも流れていく時間の中で目先だけの欲を解消するために伊織を利用したに過ぎない。

これまで付き合ってきた女も全てそうだ。


そう思うと怒りなんて湧き起こるわけがない。
そもそもオレが悪いのだから。



「…怒らないの…?浮気してたこと…」



タクシーの中でポツリとつぶやいた伊織をチラッと見ると笑顔を返す。
どうせ別れるのに苦戦しているだろうほの花を今から助けに行くと言う時にこっちも悪化していたら意味がないのだ。


「いや。怒れねぇだろ?オレが悪ぃのに。ごめんな。オレさ、ひょっとしたら初めて自分から好きになったのかもしれねぇわ。」


「…ほの花さんの、こと…?」


「ああ、だから…浮気されても仕方ねぇよ。そもそもオレだって欲の解消のためにお前を利用したに過ぎない。つーか、歴代のカノジョは全員そうだったと思う。」



静かな空間だけど、そこに甘い空気はない。
触れ合うこともなければ、言葉の中でも寄り添うことはない。


もう、終わりの時間だ。



「…ムカつくけど…私だけじゃなくて元カノもそうだったって言うんなら…もう言うことはないわ。」


「ハハッ…、ごめんな。」


「腹立つくらいあっけらかんに言うわね。暁…ほの花さんの彼氏は浮気がバレたことを言っても別れるつもりはなさそうだった。『アイツは何でもオレの言うことを聞くつまんねぇ女』って言うのが口癖だった。」


「…あ?」


「ちょ…わ、私を睨んでも仕方ないでしょ…!」



暁とか言うクソみたいな男がほの花の今の彼氏って言うのが腹が立って仕方ない。
つまんねぇのはほの花じゃねぇよ。

お前がド派手につまんねぇ男なんだ。

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