第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
【お、じゃあ今日の夜行くわ!】
暁から連絡が来たのは案の定、翌朝のことだった。
その間に再度連絡先を登録していった宇髄さんが何度連絡をくれたことか。
前日に【おやすみ】のメッセージまでくれた彼に暁とのことを伝えると心配そうなメッセージが来たことに顔がニヤけてしまう。
些細なことも気にしてくれて、心配してくれる宇髄さんの優しさに今の私は救われている。
彼を利用したらいけないとわかっているが、どうしても甘えたくなってしまう不思議な魅力に私は抗うことができない。
【大丈夫だよ。ただ病み上がりだからそういうことはできないから…ごめんね。】
熱は下がっているし、体のだるさもないのだが、どちらにせよ暁に抱かれる気分になることはもうないだろう。
いつもは泊まって行くくせにセックスができないと分かれば、"仕事があるから終電で帰るから"と付け加えられたことに渇いた笑いしか出なかった。
◆
──ピンポーン
今日まで休みをもらっていた私は暁の仕事が終わるのをひたすら家で待っていた。
宇髄さんが念の為、今日まで休んだ方が良いと言ってくれたからそうしたのだが、休んでよかった。
気もそぞろで仕事どころじゃなかっただろう。
「…あ、ごめんね?わざわざ来てもらって…」
「いや?どうした?あ、メシある?」
「あー…ごめん。今日は無いんだ…。ごめんね。」
いつからか私は彼の家政婦にでもなったのだろうか?
夕飯を食べに来たつもりだったのか、あからさまに嫌そうな顔をしたことに胸が痛んだ。
「…体調、悪くて今日まで休んでたから…ごめんね。」
「はぁ?何、看病して欲しかったの?仕事あるから移されるのは勘弁なんだけど…」
ねぇ…暁。
私のこと、好き…?
仕事があるから移されるのが嫌なの?
浮気相手と会えなくなるから嫌なんじゃ無いの?
脳裏に浮かぶのはニコニコと笑いながら看病をしてくれた宇髄さんの姿。
(…宇髄さんと、一緒にいたい。)
私の心は決まった。
一つ息を吐くと、暁を見つめた。
「…暁、私たち、もう別れよう?」
お互いが心にいないならば、この関係は何の意味もない。
実りのない関係はもう終わりにしよう。
それがお互いのためだから。