第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
宇髄さんは翌日まで居てくれて、手慣れた様子で看病をしてくれた。
そのおかげあって、翌朝にはすっかり熱は下がっていたのだが、宇髄さんから仕事は休むように言われてしまったので、言われた通りベッドに寝たままの私。
「…宇髄さん、は…私のこと、本気で…好きでいてくれてる、んだよね…?」
部屋には一人しかいない。
宇髄さんは仕事に行ってしまったから。
誰もいないその空間に吸い込まれるように消えて行く私の声。
もし、…体が目的なら昨日だってヤれないことはなかったし、むしろ家を知られているのだから毎日押しかけてきてもおかしくないのに彼はそれをしなかった。
何もしないだけならまだしも、面倒な看病をお願いしてしまったと言うのに嫌な顔一つせずにやってくれたことには感謝しかない。
本気、だからやってくれたのだろうか。
そう思ってもいいのだろうか?
「…暁に、ちゃんと聞こう。」
彼は私に此処までしてくれた。
まずは暁と向き合うことが必要だ。
だってもう明白ではないか。
あの日、暁としたセックスは全然気持ち良くなかった。
気持ちがないからだ。
私の心が求めてる人は暁じゃない。
もう暁とは付き合えない。
私は宇髄さんが枕元に置いてくれたスマホを取ると、暁に連絡をした。
終わらせるために。
私は、もう迷わない。
【近い内に会いたい。いつだったら会える?】
そう彼にメッセージを送るが、いつも返ってくるのは遅い。
今思えば、付き合いたての頃の暁は本当にマメで毎日毎日メッセージをくれていたのに、いつからこんなに遅くなったのだろうか?
朝送れば、夜。
あるいは翌朝。
ひどい時は数日後。
それでも、暁が初めての彼氏だった私は彼に期待することはなかった。
付き合って暫くしたらこういう時期があるものだと信じて疑わなかったからだ。
きっと今回も遅い。
言い訳はいつも残業だったやら急な出張になったやら…
気付かなかった私にも問題はある。
きっと彼はずっと前から私にはもう興味がなかったのだろう。
火遊びしたくなるくらいつまらない女だったんだ。
宇髄さんだって火遊びするんじゃないか?
彼の方がよっぽどイケメンだし、その可能性があるのに…
私の中で彼に対する信頼は数年付き合っていた暁をすでに凌駕しているのは何故なのか気になって仕方がなかった。