第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
【巻き込んでしまって申し訳ありません。ですが、彼女さんを大切にして下さい。私のことは夢だと思って忘れて欲しいです。私ももう忘れます。】
「…だと思ったぜ。こんなこと想定内だっつーの。」
昔からほの花は体裁を重んじる。
素直にオレのところに来てくれるなんて思っちゃァいない。
だが、此処で諦めるようなオレでもないわけで、こちとら100年越しに愛おしい女を見つけ出したのだ。
何が何でもオレのものにして見せる。
それが元音柱 宇髄天元様と言うものだ。
ほの花とは前世でも愛し合った仲だ。
男2人女1人の子宝にも恵まれて、幸せな余生を楽しんだのを思い起こす。
しかし、因果関係は不明だが、子どもたちがまだ15歳にも満たない頃、ほの花は体を壊して亡くなった。
それがオレの腕を治したことによって短くなった寿命を全うしたからなのか。
産後の肥立ちが悪かったのか。
子どもを産んでからも確かに体調を崩すことはよくあったため因果関係は定かではない。
それでも限られた時間の中でもほの花と共に夫婦生活を送れたことはオレの財産だ。
ほの花の代わりに子どもたちを成人するまで見送り、晩年をあの六人としっぽりと過ごして天寿を全うした。
心残りはほの花ともっと一緒にいたかったと言うこと。
体を重ね合えなくても
もっと話して
もっと喧嘩して
もっとほの花を隣に感じたかった。
そして、今がその願いを再び叶えられるチャンスなのだ。
絶対に逃すわけにはいかない。
昨日抱いたほの花は生まれ変わってもほの花だった。
変わらない性感帯に変わらない嬌声。
オレの好きだった花の香りまで同じと来た。
もうこれはオレにほの花を手に入れろと言っているようなものだ。
誰に言われずとも、無意識下でオレはほの花に惹かれて、彼女を抱いた。
どんなに記憶がなくとも何度でも惹かれ合う運命だと思いたい。
だからきっと…ほの花もオレのことを思い出してくれる筈だ。
鬼殺隊に身を置き、苦楽を共にしてきたのだ。
あのつらい出来事を共に乗り越えたのだ。
あれよりつらいことなどない。
「…此処からは…ド派手に行くぜ…?ほの花。」