第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
暁の唇を受けながら、体を弄られているが、思い出すのは宇髄さんとのセックス。
彼はこんな風に触らなかった。
もっと慈しむように触れてくれた。
優しくて、熱くて、全身が性感帯になったのではないかと思うほどに。
「ほの花…、可愛い…。ベッド行こ?」
そう言って手を引いて連れて行かれたのは先日宇髄さんに抱かれたそこ。
証拠が残らないようにシーツも洗って、彼の匂いがしないように部屋中に消臭スプレーをした。
もうそこに宇髄さんの痕跡はない。
私の体がベッドに横たわっても、覆い被さってくるのは宇髄さんではない。
背中に布団の感触がして、暁が私の首筋に唇を押し当てるといつもは昂ってくる感情も今日は凪のように穏やかだ。
(…気持ち、よくない。)
胸を鷲掴みにされてやわやわと揉まれても
体中に口づけをされても
教わったのは暁なのに体が覚えているのはたった一度しか抱かれたことのない宇髄さんの記憶。
ざらっと舌の感触が胸元に感じると暁の顔がそこにあった。
私が好きなのは暁のはず。
そう
そうだよ。
宇髄さんじゃない。
たくしあげられたTシャツが顎の下で溜まっていて、それ越しの暁が私の胸の頂を舐めている。
ボーッとそれを見ているが、これはセックスなのだろうか?
昂る感情は無く、私は遠くの方からそれを眺めているみたいだ。
とても当事者には見えない。
しかし、下着に手を入れられると漸く当事者であることにハッとした。
差し込まれた手の感触に身を捩るとすぐさまそれは秘所まで到達して指が蠢いている。
(…早い、な。)
何故こんなにも宇髄さんと比べてしまうのだろう?
そこまで到達するのに宇髄さんは凄く時間をかけてくれていたと言うのに暁はものの数分だ。
いつもこんな感じだっただろうか?
そうなのかもしれない。
私が気付かなかっただけで。
気にならなかっただけで。
だって私は暁としかセックスしたことなかったから。
「…ん?あれ、ほの花まだ濡れてないな。」
「…え?」
「…可笑しいなぁ。いつもは濡れてくるんだけど…、面倒だなぁ…仕方ないか。そこ舐めてあげるよ。」
ねぇ、暁…。
私のこと、好き…?
私はね、…あなたのことが好きなのか、分からない。