第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
【いいよ。大丈夫。ちょうど肉じゃが作ろうと思ってたの!待ってるね。】
私は暁にそうメッセージを送ると、鞄を持って家を出る。
ちゃんと聞かないといけない。
でも、聞くためにはちゃんと会わないといけない。
見間違いかもしれない。
見間違いだったら私のしたことが浮気だ。
── …浮気じゃなきゃ…いいのかよ?
浮気じゃなきゃいい…?
それは本気ならばいいのだろう?と言う意味だろう。
宇髄さんは私とちゃんと向き合ってくれている。
宇髄さんと暁のどちらが好きなのか?
そう聞かれたら、今、心の中に真っ先に浮かぶのは宇髄さんだ。
だけど、一時の感情で彼氏に浮気されたからって宇髄さんまで巻き込んだのはこの私。
私はたまたま宇髄さんの好みのタイプだったのかもしれない。
だから抱けたのだろう。
私が巻き込んだから彼女と別れようとしてくれてる。あまりに急速に惹かれてしまったため、この想いの真偽のほどが分からない。
私は本当に宇髄さんが好きなの?
自分だってたまたま宇髄さんがタイプだったのかもしれない。
タイプ同士が惹かれあってしまうのは仕方ない、とは思うけど…流されて抱かれてしまったのは間違っていた。
暁のことがショックだったとは言え、やはり宇髄さんの彼女さんには申し訳ない。私だって浮気女だ。
「…暁とどうなるにせよ…、やっぱり宇髄さんとは付き合えないな…。」
こんな出会いで不義理なことをしたら神様は見ている。彼とは付き合えない。
私は宇髄さんが入れていった連絡先を着信拒否にするとメッセージを送る。
【巻き込んでしまって申し訳ありません。ですが、彼女さんを大切にして下さい。私のことは夢だと思って忘れて欲しいです。私ももう忘れます。】
(…これでいい。忘れよう。)
メッセージを送ると彼のアカウントをブロックして彼との連絡手段を断った。
宇髄さんと先に出会いたかった。
そうしたら凄く幸せだったと思う。
彼は真っ直ぐな愛を向けてくれるし、少し強引だけど其処には絶対的な安心感があった。
そして…
彼とのセックスは身体中が求めてしまうほどに気持ち良かったから。