第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
「…お前は、いつも人のことばっかりだな。」
「…え?」
「少しくらい強欲になっても良いっつーのによ。まぁ、いいわ。オレは本気だから。」
宇髄さんの言葉の意味が分からない。
"いつも"とは?
私と宇髄さんはまだ出会って4回目だ。
たった4回目でセックスまでしてしまったのは尻軽過ぎたとは思うけど、過去の私のことなど話したことはない。
それに"人のことばかり"考えていたこともないと思うのだ。
だって付き合ったのは暁が初めてで、それ以外に心当たりがないのだから。
でも、宇髄さんは急に前から私を知っていたような発言をするので首を傾げてしまうのは仕方ないことだと思う。
わけがわからず、二の句が告げずにいると『スマホ貸して』と言われ、枕元にあったそれを取ると彼に渡す。
それを受け取ると、ぽちぽちとボタンを押して通話ボタンを押した。
「…ん。よし、お前の電話番号GET〜。」
「え、…あ、そ、そういうことですか…。」
「お前な、本当に抜けすぎだぞ。そういうところ直せよな。男に付け入る隙になる。まぁ、オレが言うのも説得力ないと思うかも知れねぇけどさ。そのうちオレの言葉の意味が分かると思うぜ。」
「…へ、あ、は、はい…?」
もうわけがわからない。
宇髄さんの言葉は私を咎めるような内容なのに脳に甘い痺れのようなものを感じる。
(…まただ。また、この懐かしいような…変な感覚)
彼と出会ってからと言うもの彼と共にいることで感じさせられるその懐かしさにどうにも不思議でたまらなかった。
「…まぁ、でも…昨日のお前は死ぬほど可愛かった。」
「え…?!や、えと、そ、その…!」
「覚悟しておけよ。オレはド派手にお前を堕とすと決めた。」
何も身につけていない私たちを隔てるものは布団くらいのもの。
ただでさえ、この朝チュンのシチュエーションは心臓に悪くて小っ恥ずかしいと言うのに、グイッと私の腰を引き寄せると耳元でとんでもないことを言ってくれるものだから私の脳は沸騰しそうだった。
──ほの花、お前のことを愛してる
出会って4回目
何でそんなこと言えるの?
でも、その言葉に違和感は感じない。
それどころかドキドキと胸が高鳴っている私が彼の腕から逃れる術はなかった。