第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
思い出すと顔が熱くなる。
宇髄さんにあんな風に甘えて、送ってもらっておきながら何もしませんでしたと言うのは虫がいい話だったかもしれない。
でも、玄関でキスをされた時、生まれて初めてキスが気持ち良いと感じた。
理性だけが働いて拒否の言葉をいくら言っても脳が喜んでいた。
その証拠に私の膣からは夥しいほどの蜜がすぐに滴り落ちていき、寝室に運ばれた時に私はもう彼に堕ちていたんだと思う。
「…体、大丈夫か?」
「あ…、その、…は、はい。」
目がチカチカするほどに激しいセックスだったのに、体が疼いて仕方なかった。
"もっと、もっと…"と宇髄さんを求める体が不思議だったけど、それに身を任せてみたら人生で一番気持ち良いセックスを体験できた。
言葉だけを聞くとヤりたいだけの女のようだけど、彼に…愛されてると感じてしまった。
愛されたいと願ってしまった。
私だけを愛してほしいと。
「…オレ、後悔してないから。」
「宇髄さん…、私、その…。」
「伊織とは別れる。ほの花がどう思っているかは知らねぇし、今は聞かない。」
どうしよう。
絶対に今回のことは"なかったこと"にしなければならない。
一時の気の迷い。
一夜限りの慰めセックスでなければならないのに。
彼の言葉が嬉しくて顔が無意識に緩んできてしまう。
「…責任取ってくれ、なんて言いませんよ。」
「お前が言わなくてもオレは責任を取る。そう言う星の下に生まれてんだよ。オレ以外の男にお前を任せておけない。」
彼の言葉に首を傾げてしまった。
何故かは分からないけど、昨日までの宇髄さんと今の宇髄さんと何だか違う人のように感じた。
いや、根本は同じのはずなのに私を見つめる瞳が何だか昨日よりも熱っぽくて言動も行動も何だか強引に感じる。
でも、一番驚くのはそんな宇髄さんを私自身が心地良いと感じていること。
「…彼女さん、大事にして下さいよ。私のことは悪い夢だったと忘れて下さい。昨日は付き合ってくれてありがとうございました。」
言葉と心は裏腹だ。
本当は嬉しかった。
別れて私と付き合いたいと思ってくれてるなら。
でも、それは絶対にしたらいけないこと。
彼が許しても、天が許してくれない。
私は彼女さんの大切な人を奪ってしまったのだから。