第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
「…んっ…!」
なんて、綺麗な涙なんだろう。
そう思ったのは一瞬だった。
吸い寄せられるようにほの花に近付くとそのまま唇を押し当てていた。
気付いた時は彼女の腰を引き寄せて驚いた顔が目の前にあった。
離れろ。
早く離れろ。
離れなければオレは超えてはいけない一線を超えてしまいそうだ。
それなのに少し離した唇は空気に触れた瞬間、『もっと寄越せ』とほの花を求めてしまう。
角度を変えて再び彼女の唇に己のを押し当てるともう事故では済まされない。
柔らかな唇は吸い付くよう。
そしてもちろん初めてしたキスなのにまたもやほの花に懐かしさを覚えた。
「っ、ん、う、ずい、さ…」
「黙って…」
「んん…、ん、」
何も話すな。
拒否の言葉なんて聞きたくない。
ナニをしようとしているのだ?
もうキスしてしまったらどこまでシたって同じことだろ?って脳が言ってる。
駄目に決まっているのに、オレの欲情は止まらない。
ムクムクと大きくなる屹立はほの花も気付いているだろう。
揺れる瞳にはもう涙はない。
でも、その代わりに驚愕で何度も瞬きをしている。
一度だけではなく、二度…
二度では飽き足らずに三度…
何度も何度も角度を変えて口付ければ麻薬のように脳が痺れてきた。
ああ…
オレは、
──ほの花が好きだ。
もう抑えきれない。
ほの花への想いを。
「う、ずいさ、…ま、まって…?」
「…何で…?浮気されたんなら…やり返してやれよ。」
「だ、駄目…、やめて…?ね?」
こんな良い女を恋人にしておきながら浮気なんてよく出来たな…?
オレだったらそんなことしない。
オレだったらほの花だけを見て、ほの花だけを幸せにしてやれる。
「…あんな奴、忘れちまえよ。」
「ちょっ、…宇髄さん!一回止めて…?お願い…!」
「……無理。」
オレは靴を脱ぎ捨てるとほの花の体を抱き上げて、初めて来る彼女の家を闇雲に進む。
大体、部屋の作りなど似通っているのだから寝室などすぐに見つかる。
ガチャリと開けた部屋に綺麗なベッドを見つけると問答無用にほの花を下ろして、組み敷いた。
もう、戻れやしない。