第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
「何だよ、上目遣いなんてすると男が勘違いするからやめとけよ〜?お前、無駄に可愛いんだからよ。」
「なっ、え、いや…か、可愛くなんて、…し、身長もデカい…し。」
「そうか〜?まぁ、スタイルは良いよな。モデル体型ってやつ?いいじゃん。オレもデカいからさ。」
「身長…何センチですか?」
「さぁ…?2メートル近くはあるんじゃねぇかな。」
2メートルと聞いて納得した。
確かに宇髄さんはそれくらいありそうだが、自分の身長に大して興味もないようでニカッと笑った彼が眩しく感じる。
「そ、そうなんですね。いいなぁ…男の人は身長高くても揶揄されることないですよね…。」
「んー…?何だよ、身長なんて気にしてんの?そんなもんほの花の一つのチャームポイントってだけだろ?」
「…そう、なんですけど…。」
確かにそうだ。
でも、私は昔からこの身長が凄くコンプレックスだった。
大したことではないと言われればそれまでなのだが、ふとした時にトラウマのようにフラッシュバックする感覚になるのだ。
(…あー、駄目だ駄目だ。)
うっかり私が落ち込んだような反応をしてしまったがために宇髄さんに気を遣わせてしまう。
慌てて笑顔を作って再び彼を見上げてみると大きな手が再び頭に乗せられた。
「オレとならちょうどいいな?ほの花の身長は。小さすぎてもよ、オレがデケェから困りもんなわけよ。ほの花くらいがちょうど良い。」
気を遣わせてしまったのだろうか?
でも、宇髄さんの顔は優しくて、暖かくて、泣きそうなくらいに懐かしいような感覚に陥った。
そんなはずがないのに…
御礼を言おうと口を開きかけた瞬間、目に入った人物に驚いて固まってしまった。
宇髄さんの身長が大きくて見えなかったが、彼の背中側の数メートル後ろから出てきた人は此処にいるはずのない人間だった。
彼は私に気付いていない。
それはそうだ。
だって彼の隣には腕を組んで、腰を抱き寄せて仲睦まじげな女性がいたから。
同僚の人?
友達?
彼に姉妹はいない。
宇髄さんの越しに見る彼は私といる時よりも遥かに楽しそうで急速に体温が下がっていくような気がした。
「…暁…。」
そう、そこにいたのは私の彼氏の暁だった。