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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※






「はーー!面白かったなぁ〜!やっぱ観にきて正解だったぜ!ほの花サンキュー!」


「ですね!私も面白かったので付き合ってくれてありがとうございました!」



宇髄さんと映画を観たのはいいが、『離してください』と言った手は既に離れているのに、何故か彼の手の温もりがずっと体に残っているような感覚に困惑している。


この謎の居心地の良さは何なのだろうか?
まだ会ったのはこれで多分4回目だと思う。
その中で、彼とちゃんと話したことはほとんどない。

仕事中の2回なんて業務的な会話しかしていない。
3回目は彼女さんがいて、これまた定型文のような会話しかしていない。
そして4回目の今日、こんなにたくさん話したことは初めてだけど、初めてな気がしない。


それは彼の底抜けに明るくて気さくな性格故なのか?
どうにも分からない。



「よし、じゃあメシ食って帰ろうぜ?奢るからよ。」


「え…?!いやいや、大丈夫です!これ以上は彼女さんに申し訳ないのでやめておきます。本当にお気になさらず…。」


「はぁ?馬鹿なのか?オレが女に映画奢らせてそのままにしておくような甲斐性なしだと思ったら大間違いだぜ?!」


「で、でしたら!映画代!1800円頂ければ…!!」


絶対に私の考えは間違っていないと思う。
彼女がいる宇髄さんと映画に行っただけでも浮気と言われればそうだ。

だが、最悪『チケットが余っていたからあげた』という言い訳はできる。


これ以上は誤解されるに決まっている。
ただでさえ、私は彼女に敵視されているようだ。
当たり前のことなので、下手に何も言い返せない。


お金の催促をするなんてしたくはないが、そうしなければこのまま食事に行く羽目になってしまうので、おろしていた手を上げて差し出してみた。



「はぁ?嫌だね。オレ、腹減ったから行くぞ。」


「ひぇ、いや、ほ、本当に!!私、浮気するつもりはないので…!!」


「…浮気じゃなきゃ…いいのかよ?」


「……え?」



宇髄さんの声が1トーン下がった気がしたので、チラッと見上げてみると熱っぽいような表情をして私をみていて、息を呑んだ。


目が離せない。

この目を、私は知っているような気がした。





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