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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※





ズンズンと進んでいく少し先に目に入るのは宇髄さんの大きな背中。


何故だろう?
その背中を見ると泣きそうになる。

何故だろう?
抱きつきたいと思ってしまう。


温かい手が私の手を包み込んで進む先を照らしてくれる。
行きそびれた映画に行こうと思ったのは仕事が早く終わったから。
どうせ帰っても彼氏は来ない。今日から出張だと言っていた。


会えるのは一体いつになるだろうか。
寂しいな、と思いながらもここ最近は目の前にいる彼のことを考える時間が増えてしまっていたことでうっかり忘れてしまうこともあった。


そんなことはあってはならないこと。
必死に彼の存在を消そうと躍起になっていた矢先にまた出会してしまった。

もういく先々で彼と出会う運命なのだろうか?と運命論まで頭の中で持ち出してしまう。


「う、宇髄、さん…!ま、待って…!まだ上映時間までには時間、ありますから!」


運動不足も相俟って肩で息をし始める私と違って、宇髄さんはチラッとこちらを向き、涼しい顔で笑った。


「あー、悪ぃ、悪ぃ!速かったか?ごめんな?」


「あ、足が長いんですよ…!ついて行くので精一杯でした…!」


「まぁな、オレはド派手に色男だからな。」


「……そこまで言ってませんけど…。」


「はぁ?!お、オレのこと、良い男だな〜とか思わねぇの?!」



この自己肯定感の強さはどこかで覚えがある気がするけど、その"どこか"が思い出せない。

しかしながら、確かに宇髄さんはイケメンだと思うし、こんな素敵な人と一緒にいられるなんて女ならば誰しも"役得"と思うだろう。




ほんの少し


いや、


もう少し



彼女さんが羨ましいだなんて思うこともあったり、なかったり…。

そんなことは絶対に言えないけど、心の中でだけ思うのは誰にも迷惑はかけないはずだ。



「…私、人のモノに興味ないので何とも思いません。客観的に見れば宇髄さんは素敵な方だと思いますけど…。」


「はぁ?!何その体裁気にしたような言い方!オレはほの花のことクソ可愛いと思ってんのによぉ〜。」


「…そういうことは思っても口に出さない方がいいですよ。」


何でだろう?

この人は、いつも私の期待を裏切ってくる。
いつも私の言いたいことを先に言ってくれる。


あなたは


一体誰なの?


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