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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※





「どうしよう…。」

家で一人、もらった名刺と睨めっこをする。浮かんでくるのは背の高い銀色の髪のイケメンさん。
確かに初めて見た時、綺麗な顔をしているなぁ…とは思った。でも、それだけのことじゃないか。


「…宇髄、天元、さん。」


出会ったのはつい数週間前のこと。
火傷をしたと言って軟膏をもらいにきていた時に突然『彼氏いる?』と聞かれた。


断る口実でも嘘でも何でもなく、本当に私には彼氏がいる。
結婚の話がチラホラ出るほどではあるので、割と上手く行ってると思っている。


そして、今日また薬局に来てくれた宇髄さんは睡眠導入剤をもらっていて、あまりに豪快な彼には結び付かなくて二度見してしまった。


そんな私の失礼な態度にも眩しい笑顔で対応してくれる彼はとても懐の深い人なのだろう。
初対面で彼氏を聞かれて、二度目でこんな失礼な態度を取ってしまったのに不思議と自然体でいられる。


実は高校教師と言うところにも驚いた。
確かに面倒見の良さそうな感じではあるが、見た目の派手さからまさか"教師"と言う職種は思い浮かばなかったのだ。


そんなわけで、今日は『友達になろう』と言う彼の言葉に名刺を眺めて迷っているのだ。

連絡をすべきか、しないべきか。



お互い恋人がいるからそれ以上の関係は望まない。
だからこその『友達になろう』なのだろうが、彼女が嫌な想いをしないだろうか。私だったら好きな人が他の女の子と仲良くしていたら嫌だ。


「…やっぱり、やめよう。何もなかったとしても浮気した気分になる。」


宇髄さんには申し訳ないけど、彼女に嫌な想いをさせてまで彼と友達になる理由はない。
私は頂いた名刺を大切に名刺フォルダーに入れると立ち上がる。


──ブーン


その時、震えたスマホに画面を見ると彼氏の暁(あきら)だった。


【明日会える?家行っていい?】


暁から連絡が来るのは珍しい。
忙しくてなかなか会えない彼氏ではあるけど、いつかは結婚したいと言ってきたのは彼の方で私はその約束があるからなかなか会えなくても我慢ができた。


すぐに了承のメッセージを送るが、頭からは何故か宇髄さんの優しい笑顔が離れなかった。

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