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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第48章 【番外編】宇髄家のこんな一日




トクントクンと動く脈を確認していると、静かに天元が部屋に入ってきた。
須磨に食事の支度を頼めたのだろう。

食い入るようにそこから見ているとほの花が顔を上げて雛鶴の顔を見た。


「…雛ちゃん、月のモノ来てる?」

「え…?」


それは端的であっても察することができる内容。
ほの花の顔は穏やかで笑みを浮かべている。


「おめでとう!!妊娠してると思うよ。」

「……え…。」

「お!!そいつはめでてぇな!!おめでとう!正宗!雛鶴!」


ほの花と天元が手を叩いて喜んでいるのに反して、雛鶴の表情は浮かない。
そしてそこに寄り添う正宗も雛鶴の心情を察しているかのように背中を撫でている。


「満三月ってところかな。そうと決まったら大事にしなきゃね!家事は私たちで請け負うからゆっくりしてね?」

「そうだぞ!正宗もしっかり雛鶴を支えてくれよな。掃除とかなら俺らもできるしよ。」


満三月と言うことはちょうど悪阻が現れる頃だろう。今日気持ち悪くなったのも悪阻が原因ならば話は理解できる。


しかし、いつになっても声を上げない雛鶴に流石に変だと思ったほの花が恐る恐る顔を見つめる。
その顔は真っ青に染まっていて、気持ち悪さのせいだと思っていたが、目には涙まで溜まっているので心配になって顔を覗き込んだ。


「…どうしたの?大丈夫?」

「……め、んなさ…。」

「……え?何て?」

「ご、めん、、なさ…っ!」


謝罪の言葉と共に雛鶴の目から涙がこぼれ落ちてきた。
今回の場合、喜ぶならば分かるが、泣く意味は分からない。


雛鶴が泣いている理由がわからずに天元と顔を見合わせるが、天元も首を傾げるばかり。

それでも泣き止まない雛鶴に暫く彼女の言葉を待っているとぽつりぽつりと話し出した。


「…ほの花ちゃ、ん、が…療養、中、なのに…、まだ、子作りとか、できな、くて…、ツラい時に…、ご、め、なさ…!」


その言葉に目を見開いたのはもちろんほの花と天元だ。
確かにほの花はまだ体調が安定しないので、妊娠出産は体が耐えられないので許可が出ていない。

自分でもまだ無理だろうと思っていたことだったのでほの花は何も悲観はしていなかった。

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