第47章 【番外編】貴方とならばどこへでも※
「ぁぁあッ!!」
一際甲高い声で喘いだかと思うと俺も白濁をほの花の最奥に注ぎ込んでやった。
ガクンと俺の体にもたれかかってきたほの花を見て、今の状況を漸く悟る。
(…やっべ…、俺…どれくらい、抱いてた…?)
こんなところで抱いてしまったこともあって、すっかりほの花の体は冷たくなってしまっていて、その行為の時間を考えると顔面蒼白だ。
ただでさえ病み上がりだというのに。
俺は慌てて、びしょ濡れで使い物にならない浴衣も持つと部屋の中にある温泉に直行した。
流石にせっかく旅行に連れてきたというのに、嫉妬で何時間も抱いて風邪ひかせたなんて申し訳ない。
抱きしめたまま、体を温めてやると漸く俺も息を吐いた。
「…ヤりすぎた…。」
「…分かってるなら次からは加減してね。」
「んあ?!起きてたのかよ?!」
「温泉に浸かった瞬間目が覚めたの。」
前に抱えていたほの花が突然、見上げてきたが、その表情は不満気だ。
そりゃあそうだろう。
あんな場所で何時間も抱かれていたのだから。
「…まぁ、悪ぃ。ヤりすぎた。」
「天元こそ全然私のことわかってないよね。」
「はぁ?!な、お、俺は分かってるぞ?!お前のことなら何でも…!!」
「だったら私が町に出るたびに女の人の視線を浴びる天元に何も思わないと思ってたの?」
「…へ?」
「私だって…いつも、ヤキモチ妬いてたよ…!」
不満気だった顔は途端に赤く染まり、見上げるその表情が可愛い。
「ヤキモチ、妬いてたのか。」
「…当たり前じゃん…。天元のこと、大好きだから…。独り占めしたいって思うに決まってる。」
「そう、か。」
「でも、体弱くて…愛想尽かされないかいつも…心配だったんだから。嫉妬されるの嫌じゃないけど…疑われるのは嫌。私は…、天元しか見てないよ。」
そうだ。
ほの花はいつだって自分の体調が良くないことを気にしていた。
悪くもないのに「手間かけてごめんね」と謝っていた。
体がつらい筈なのに気にしていたのは俺のことだったのはそんな感情もあったからだと初めて知った。