第47章 【番外編】貴方とならばどこへでも※
「んんっ…ふ、ぅ…!」
あまりに可愛いことを言うものだから呆気なく理性はブチ切れてほの花に口付けたのはつい先ほどのこと。
少し角度を変えるその隙に何とか息を吸ってるのが厭らしくてどんどんムラムラしてくる。
ヤるためだけに旅行に来たなんて思われてるかもしれないがそうじゃない。
いつもと違うところでほの花と新婚っつーのを楽しみたかった。
正直なところ、ほの花と結婚して何か変わったか?と聞かれたらほの花の苗字くらいのもの。
あとはいつもと変わらない生活をしている。
元々ほの花は継子だったこともあり、その頃から家で生活させていたのはもはや懐かしい。
"宇髄さん"と呼んでいた頃はもう思い出せない。
いま、呼ばれたらそれはそれで萌えるかもしれない。
同じく新婚の同居人たちが自由に旅行とか行って楽しんでるのを見て指を咥えて見ていたからほの花の体調が戻ったら絶対に旅行に来ようと決めていた。
もちろんずっと禁欲生活をしていたわけではない。激しくしなければ夜の営みもしていたし、ほの花も俺に対して気を遣ってくれていたと思う。
ただやはり全快していないのに自分の欲を押し付けて抱きまくるわけにも行かず、俺としてはまぁまぁ我慢はしていた。
漸く旅行に来れて、二人きりな上に愛おしい女から『シようね?』なんて可愛く言われたら下半身が反応するのは当たり前だろ。
むしろ反応しない奴は不能だ。
とろんとした目でこちらを見上げられるとムクムクと膨れ上がる性欲を抑えることなどできやしない。
腰を引き寄せて口付けると甘い匂いがふわっと香るのがたまらなく好きだ。
なぜこうもコイツは甘い匂いがいつもするのだ。
「んっ…て、んげ…ん…。」
「ほんっと…、どうしてくれるんだよ。」
「え…?」
何年経っても、いつ抱いてもほの花を見れば愛おしさが爆発する。
初めて抱いた時から変わらないその気持ちに一生ほの花には敵わないと思わせられるのだ。