第47章 【番外編】貴方とならばどこへでも※
要するに夜の営みに耐えられるだけの体力を残しておけと言う天元に呆れてしまうが、それも天元。
私の愛した天元は昼も夜も構わず全身全霊、全集中で愛してくれる。
それこそ全集中・常中だ。
「あら〜!宇髄さんとほの花さん!ああ、もうご夫婦でしたわね。いらっしゃいませ。」
「おぅ!琥太郎に聞いてよ。世話ンなるぜ。」
「そうだったんですね。どうぞどうぞ。ごゆるりと。今、お部屋のご用意して来ますね。」
「上等な部屋頼むぜ!」
「ふふ。承知致しました。」
久しぶりに会った琥太郎くんのお母さんに『顔色が良さそうで安心しましたよ。』と言われると、益々日常に戻って来たような気分になった。
家の中だけで過ごしていると出会えない人たちに会えるのはとても嬉しいし、やっとここまで回復したのだと嬉しくなるのだ。
「体調、大丈夫か?」
部屋の準備をしてくれている間、天元と待合で待たせてもらっていると、また隣でそんなことを聞いてくるものだからため息を吐いた。
「…はいはい。大丈夫ですよーだ。ちゃんと夜デきます〜。」
「ばぁか。今は普通に心配したんだわ。俺がいつでもどこでも盛ってるみてぇに言うなよな。俺、傷ついちゃう。」
わざとらしく傷ついた顔をしているが、どの口が言うのだろうか。散々ここに着くまで夜の営みがどれほど重要なことなのか力説して来たのは誰だったか?
「本当にー?そんなふうには見えなかったよ?」
「あのなぁ、俺は年単位でお前の体を見て来たんだぞ?やっぱり体調が良いか悪いかは気になるっつーの。そりゃ…夜は、ヤりてぇけど。」
まぁ、確かに天元のおかげで何不自由なく過ごせているのだから感謝しかない。
彼と結婚できたことこそが私の人生で一番良かったことだと言っても過言ではないだろう。
愛してくれてるのだから抱きたいと思ってくれてるのは分かるし、彼のそんな飾り気のない言葉は愛されると実感できるので本当は好きだ。
場をわきまえて欲しいだけで。
「…大丈夫だよ。ちゃんと…夜も、シようね。」
「え?!ま、マジ?!三回?!四回?!」
「一回!!!!」
だけど、体力の化け物の天元に付き合うのは至難の業なのは言うまでもない。