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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第46章 【番外編】束の間の休息を君と




「胡蝶とは…何でもない、が…、贈り物を買ったのは事実だ。」

「っ、だ、だからそれはカナヲたちに…!と言うことですよ?」

「いや、胡蝶にもある。」

「……へ、は、はい?」


どうやら胡蝶と冨岡が話してる内容は少しばかり差異が生じているようで胡蝶だけが首を傾げ始めた。

まぁ、冨岡の考えてることなんてよほど付き合いが深くなければわからないかもしれない。


お館様ほど理解していればわかるかもしれないが生憎、ここにいる三人は冨岡のことをしっかり理解している奴はいない。


しかし、懐を何やらガサゴソと漁り出すと小さな包みが出てきた。
それを迷うことなく胡蝶に差し出した冨岡に目をひん剥くことになるとは誰が思おうか。


「…へ?え、…へ?!こ、これって…」


「先ほどこれを見ていただろう?俺は選ぶのは苦手だから気に入っていたようだから買っておいた。」


「そ、そんな…う、受け取れませんよ…!冨岡さんに何の得があるんですか?」


「…得……?得……、は…、胡蝶の喜ぶ顔が見たかったのだが…要らないのなら……、神楽いるか?」


胡蝶が動揺するのは当たり前だ。
だからすぐに受け取ることができないのも肯けるが、そのフリは絶対に頂けない。


「へ…んええええええ?!?!い、いりません!いらないです!ありがとうございます!!お気持ちだけ…!!!」


流石のほの花も首をブンブン振り全力で拒否をしているし、俺も冨岡を制すことに徹することにした。
あくまで穏便にだ。
この場合、冨岡にほの花に対しての気持ちがないことくらい分かるが、この際、ほの花に贈り物をする男が気に入らないと言う俺の個人的な怒りは抑えよう。


「…おいおい、冨岡。いくら相手が難色を示しても贈り物は他の女に渡すな。それにほの花は俺以外が買ったものは身につけさせんからそれをとっとと胡蝶に誠心誠意渡せ。」


そんなことを渡すはずの女の前で言うこと自体が可笑しなことだが、この際仕方ない。
未だに動揺している胡蝶に俺ができる唯一の助け舟だ。


だが、冨岡の良いところは素直なところだ。
たまに間違えるが、俺の言葉を受けて頷くと再び胡蝶に向き合った。

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