第9章 『実家に帰らせて頂きます』※
「あッ、ん、ふァッ、んやぁ、あぁぁっ…!」
「気持ち良くなってきたか…?」
宇髄さんのいう通り、二本の指が難なく抽送され始めたとき、だんだんとその行為が気持ち良いと感じ始めていた。
この前はまだそんな余裕もなくて、二本の指より大きいのが入るのだという恐怖心のが勝っていたけど、今はハッキリと気持ち良いんだと感じた。
もう既に何度も達してしまっているけど、このままされ続けたらきっと数分後には絶頂を迎えさせられていることだろう。
でも、それを感じたいと思う反面、あの焼き付けるような彼の甘い痛みを感じたいと思ってしまっていた。いつもと違って余裕の無さそうな色っぽい表情が見たい。
「…は、い…。」
「…もう少し慣らすからそのまま感じてろ…。」
優しく笑いかけてくれるその表情も大好き。
大好きだけど、この前のあの表情が早く見たい。
そう欲が出てしまった私は彼の手を止めた。
「…ほの花?どうした?痛かったか?」
心配そうな彼の表情も大好き。
大好きだけど、今はこの前のあの表情が見たいの。
「…あ、の…指、じゃなくて…。」
「…?…指じゃない?」
「う、宇髄さんが、欲しい、です…。」
その瞬間、目を見開く宇髄さん。きっと私はとんでもないことを言ったんだろう。でも、私だって欲はある。
見たことのない宇髄さんが見られるのが嬉しかったんだ。
「…お前、そんなこと、どこで覚えてきたよ…?」
「え、どこ…って…?」
覚えたての言葉を発した記憶はない。想いの丈を言ってみただけ。だから彼のこの不敵な笑みの意味は分からない。
「…悪い子だなぁ?俺を煽って…。」
「あ、あの…?だ、駄目なら…。」
「駄目だねぇ…。そんなこと言われたら…俺は…。」
宇髄さんが着ていた夜着をバサッと脱ぐとお腹につきそうなほど紅黒く膨張したモノが目に入って思わず目を逸らした。
まさか…あんなモノが入っていたのだろうか。
急に背筋が凍りついたような気がしたがもう遅い。
「…お前をめちゃくちゃに愛してやるしかねぇな。」
臨戦体制の宇髄さんがこちらをニヤリと見つめていたから。