第45章 【番外編】かまぼこ隊まぐわいを知りたい!の巻
「なぁ、おっさん!ほの花とのハジメテの時のこと詳しく教えてくれよ!今後のサンコーのために!」
「は?!」
「だってほの花も生娘だったんだろ?条件は俺たちと一緒じゃねぇか!」
「それは…そう、だが……。」
天元が危惧しているのはそんな条件のことではない。そもそもほの花とのまぐわいの情報を三人に伝えても良いものなのかというところだ。
よく考えたら意気揚々と先ほど口淫してもらえるだなんてことを言ってしまったが、今更あとで怒られるようなことになったらどうしようと天元の頭をよぎったのだ。
(…お預け喰らうとか…勘弁だからな…。)
三人が三人とも再び仔犬のようにキラキラとした目で見てくるので、その視線を逸らして言葉を続けた。
「…まぁ、それは個人情報だから、秘密だ。」
「はぁーー?!何でだよ!」
「ほの花に了承もなく言えるかよ!俺は後でお預け喰らうことになったら耐えられねぇ!!」
「ケイケンダンってやつを語ってくれって言っただけじゃねぇかよ!」
伊之助が食い下がるが天元は頑なに首を縦に振らない。
だが、伊之助とてタダで引き下がるわけにはいかない。ここまできたら実際の流れとやらを聞いておきたいというものだ。
「駄目だ。とにかく俺には聞くな。忘れろ。」
「じゃ、ほの花に聞けばいいのかよ。」
「聞くなっつーの!!つーか、アイツは恥ずかしがり屋だから言ったりしねぇよ。」
「だったらおっさんが教えてくれよ!」
「嫌だっつーの。」
聞きたいことは終わっただろ?と言わんばかりにしっしっと手を払う天元に伊之助は眉間に皺を寄せる。
こういう時、炭治郎と善逸は同じ気持ちであるとジッと見守ることに徹しているようだ。要するに三人の気持ちは同じと言うことだろう。
「わかった…!さてはおっさん…、こんだけ偉そうに言っておきながらほの花のこと満足させられなかったんだろ!?」
諦めきれない伊之助が放った一言を聞いて天元の米神がピクリと動く。
ピキピキピキ…と音がしそうなほどのその動きと般若のような表情に三人が肩を寄せ合ったのは数秒後のことだった。