第44章 【番外編】かまぼこ隊デートを知りたい!の巻
「「「…………(絶句)」」」
もちろん三人は二人の接吻を見たくなくても見てしまうし、見たいけど見ていいものなのか分からず視線を彷徨わせる。
「んんん!んーーーー!!!っぷはっ!!ちょっと!?何すんの?!」
「何って接吻だろ?」
時間にすればほんの数秒だったのだが、ほの花からしてみればその間、分単位に感じた。
友達の前での公開処刑に恥ずかしいし、恥ずかしいし、恥ずかしいし、恥ずかしい。
顔から火が吹き出しそうなほど真っ赤になったほの花に、天元は涼しい顔をして大して取り合わない。
それどころか固まっている三人に向き合うとニヤリと笑う。
「どうだ?分かったか?無理矢理は駄目だぞ。」
「いま、無理矢理した人が言うセリフなの?」
「何事も相手の合意を得てやるべきだ。」
「どの口が言うの?」
「んで、やる時は良い雰囲気の時にやらねぇとこうなる。」
「悪い見本見せてどうするの?!」
最早夫婦漫才でも始まったのか?と思うほどほの花と天元の掛け合いは続く。
「でも、ほの花は接吻は好きだろ?」
「え?!そ、そりゃ…き、嫌いじゃ、ないけど…。」
「女が嫌がることはすんな。一回嫌われたら信頼を取り戻すのに時間がかかる。それよりも素直に言えばいい。」
此処にきて漸くまともな授業が聞けたのではないか?三人は顔を見合わせて食い入るように天元を見つめた。
しかし、疑問があった炭治郎が『はい!』と手を上げたことで天元は頷いた。
「素直にって…どうやって言うんですか?」
「そりゃあ、お前…接吻したいって言やぁいいだろ?それで相手がどう言う反応するかだが、頬染めりゃあ大抵は大丈夫だ。やってみろ。露骨に嫌な顔されたらお前らだってわかるだろ?」
「…わかる、と思います。」
「なら素直に聞くのが一番だ。そう思うだろ?ほの花。」
先ほどの突然の接吻に不満を抱いていたジト目で天元を見つめていたが、今度は急に話を振られてことであたふたとしながら頷いた。
天元が話していた内容は納得できたからだ。