第44章 【番外編】かまぼこ隊デートを知りたい!の巻
挙動不審の三人とキョトンとしている自分の妻の姿に助け舟を出したのはもちろん天元だ。
「好きな女に逢瀬に誘う方法を聞きに来たんだってよ。このド派手に色男な俺様に!」
「へぇ〜そうなんだぁ…。」
「おい!反応薄すぎだろ!?俺のこと嫌いか?!」
もっとほの花から色男の部分を肯定してくれるような返事を期待していたが、見ての通り寝起きのほの花には通用しない。
元々はそこまで寝起きは悪くない方だが、体を壊してからは頗る寝起きが悪いのだ。
「えー?好きだよ〜?何言ってるの?変な天元。んー……、好きな、女…?」
天元の言葉を受けて漸く頭が覚醒しつつあるほの花は目を見開くと、三人を見つめた。
「…え?!カナヲちゃんと禰󠄀豆子ちゃんとアオイちゃんとまだ付き合ってなかったの?!」
「「「!?!?!?」」」
ほの花が驚くのは無理はない。
最終決戦からだいぶ月日が流れているし、てっきりもう三人は男女の仲だと思っていたのだ。
自分は体調不良で休養を余儀なくされていたが、その間時間はいくらでもあった。
逢瀬どころかもうそういう仲だと思い込んでいたほの花は隣にいた天元の顔をマジマジと見た。
その顔は『信じられる?』と聞いているようだ。
「私てっきり…もうそろそろ結婚するのかと思ってたよ…。逢瀬って…、…え?でも、普通そうなの?天元が手が早すぎるのかな…?」
「おおおい!!とんだ飛び火はやめろ!俺はお前のことが好きすぎて一刻も早く自分のモンにしたかったんだよ!!コイツらと一緒にすんな!」
突然の自分への放火にあわてて否定したが、今度は目の前の三人が天元に食いついてきた。
「宇髄さん!俺だって!カナヲが好きに決まってます!!夢で見るくらい大好きです!!」
「あんだってぇえええ!?禰󠄀豆子ちゃんが大好きに決まってるじゃないですか!!」
「交尾したいと思うくらいには好きに決まってんだろ!!早くやり方教えろ!!」
あまりの剣幕にポカンと口を開け広げてしまうのはほの花と天元。
どうやら本気度は高いらしいことは伝わってくる。