第44章 【番外編】かまぼこ隊デートを知りたい!の巻
「とりあえず、何を聞きたいんだよ。逢瀬の誘い方か?接吻の仕方か?まぐわいの方法か?」
「ちょちょちょ!!!宇髄さん!!話が飛躍しすぎだし、こ、こ、こ、婚前交渉は…!だ、駄目です!長男ですから!!」
「…まぐわいって交尾のことか?よし、それも聞いておくか!」
「いやいやいやいや、何言っちゃってんの?この人!!昼間っから何言っちゃってんの?!」
話がまとまらないのはこの際仕方ないのかもしれないが、とにかく何を聞きたいのかを明確にしておく必要はある。
天元は咳払いをすると三人に向かって"静かにしろ"と指を立てた。
「わぁーった、わぁーった。とりあえず落ち着け。まぁ、お前らのことだからまずは逢瀬の誘い方とかどこに行ったら良いとか軽いモンでいいのか。」
「おい、おっさん!俺は交尾も知りてぇぞ!!」
「よし、お前は見込みがあるな。あとで個別に教えてやろう。」
「「ちょーーーっと、まって……!!」」
其処は"何の見込みだ!"というツッコミが入りそうなところだが、炭治郎も善逸も目を彷徨わせながらもただモジモジしている。
その行動の意味を考えるまでもない天元がニヤニヤと笑いを堪えながら頷いた。
「しゃーねぇ奴らだな。んじゃあ、今日のところは逢瀬について教えてやっから。また後日、恋仲になったらまぐわいのこと教えてやるわ。」
「「「宜しくお願いします!!」」」
どうにもこうにも年頃の男子だ。
ソウイウコトに興味津々なのは致し方ない。
天元からすれば後輩が自分を頼ってきた理由が何とも可愛いものでニヤニヤと頬が緩むのを止められずにいる。
「よし。んじゃあ、まず逢瀬っつー前に相手を知ることが大事だ。」
「相手を知る…ですか?」
真面目な炭治郎は全ての言葉を書き記そうとメモを取り出したのを見て善逸が変な顔をしているが、天元からしたら気持ちが良い行動だ。
「おう!例えばほの花ならよ。アイツは甘味が好きだろ?だから甘味処に連れて行くっつーと大体喜ぶ。」
「ああ!確かに!」
「ほの花、甘いもの好きですもんね。」
「アイツ、女のくせに大福食い過ぎだけどな!」
仲良しであるほの花を例えに使われると途端に分かりやすく感じたようで三人の顔が久しぶりに晴れやかになる。