第44章 【番外編】かまぼこ隊デートを知りたい!の巻
「なんだなんだ、お前らもそう言う年頃かよ。いいねぇ。それでド派手な男前の俺に聞きにきたってわけだなぁ?なるほどなるほど。ハハッ!この神にかかれば女なんてあっという間にイチコロだ!」
自信たっぷりにドヤ顔をする天元に若干の後悔の念を抱く者もいたが、苦笑いをしながらも何とか話を聴こうとする理由はただ一つ。
逢瀬について聞きたいからだ。
如何せん、つい最近まで鬼殺隊として活動していたこともあり、男女のことなどからっきしだ。
それと引き換え、音柱として目下任務遂行中にも関わらず、ちゃっかりほの花との愛を育んでいた器用な天元。
今や、ほの花は嫁だ。
そんな天元のことをこの三人は複雑な心中で見ていた。
ほの花とは元々友達だったし、今も尚仲は良い。元々は男性に対して免疫のないほの花を天元があの手この手で慣れさせて行ったのは周知のことだ。
「…本当はほの花に聞きたかったんですけどねー…」
「あ?俺の嫁が何だって?ん?善逸。言ってみ?」
「な、な、な、何でもゴザイマセン!!ほら、あの、その…!じょ、女性目線も必要カトオモイマシテ!!!」
唇を尖らせながら呟いたのは善逸。
ほの花のが優しく教えてくれそうだという安易な考えの下だろうが、天元からしたらほの花に馴れ馴れしくされるのは"いまだに"気に食わない事案。
「起きたらここに来るだろ?まぁ、その前に俺がド派手に解決してやらぁ。で?炭治郎はカナヲで、善逸は禰󠄀豆子で、伊之助はアオイだろ?」
「「「!!!?!?!」」」
さも当たり前のように言う天元の言葉に驚いたのは三人だ。
目を泳がせながらも見る見るうちに顔が真っ赤になる様子は普通の年頃の男子に変わりない。
そんな姿を見てため息を吐く天元だが、その顔は和かだ。
「何でわかるんだって顔されてもなぁ…?お前らの恋心なんざ見てれば丸わかりだぜ?ほの花だって気づいてた。」
「な?!え?!ほの花が?!」
「あの、鈍感なほの花がですか?!」
「分かるわけねぇだろ?!アイツ馬鹿じゃねぇか!」
「…お前ら人の嫁を何だと思ってんだよ…。」
怒り狂うところなのかもしれないが、鈍感なのは天元もわかっていたので何も言い返せずに頬を掻いた。