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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第42章 【番外編】過去との決別





危ない危ない…。
この子は少年天元くんではあるけど、天元に変わりないのだ。

あまりの洞察力にドギマギとしてしまったけど、うまく切り抜けられたと思う。
四人の許嫁と言うことは、雛ちゃん、まきをちゃん、須磨ちゃんの他にまだ瑠璃さんも許嫁だった時のことだろう。


昔のことはあまり話したがらない天元に詳しく聞くことは憚られたので聞いていない。
でも、天元くんならば話してくれるかもしれない。

どんな生活をしているのか。
いま、どんなことに悩んでいるのか。
つらいことはあるか。

聞かれたくないと思って聞いてなかった。
聞かれたくない理由の一つは絶対に弟さんと妹さんを殺してしまったことが引き金となっているのは大方間違いないだろう。


今は…その『前』なのか『後』なのか。


(…それくらいなら首を突っ込んでもバチは当たらないよね…?)


未来を変えるようなことはしてはいけない。
そんなことすれば、未来が変わってしまう。
鬼舞辻無惨を倒したことまで変わってしまうことも否めない。



「私ね、兄が四人いるの。」


「へぇ…五人兄妹?」


「そうだよ。お兄様たちに甘やかされて育ったの。天元くん、ひょっとして弟さんと妹さんがいるんじゃない?」


「何で?」


「凄く面倒見がいいから。そうかなーって。」



顔色は変わったようには見えなかった。
万が一、自分の手で殺してしまった後であれば弟妹の話をされるだけで顔色が変わるはずだ。


「ああ、いるよ。弟と妹。よく分かったな。」


「ふふ。やっぱり…!そうだと思った。私のことも放置せずにこうやって会いにきてくれるじゃない?本当にありがとうね。」


「別に…ほの花のことを妹としてみてるから来てるじゃねぇよ。」


「ええええ?!そこは姉でしょ?私のがお姉さんなんだから!!」


「……頼りねぇ…。」


「な、何ですって?!」


甘やかされて育ったけど、下に妹や弟がいることに憧れていた。
目の前にいる天元くんは年下だけどあまりに天元感が強くてとても弟には見えない。

天元は兄でも、弟でも…嫌だ。


やっぱり天元とは…生まれ変わっても恋人になりたい。

お嫁さんにして欲しいから。


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