第41章 【番外編】「娘さんを下さい‼︎」※
突然発せられた言葉に思わず目を見開く。
続け様に何度も瞬きをすると恥ずかしそうに目を逸らすほの花の顔は真っ赤に染まっていた。
それはそうだ。
──もっと激しくして
…だなんてほの花から聞くことになるなんて誰が思うか?
そもそもいま現在、ほの花は絶賛体を震わせて達していたではないか。
それなのに何故この段階でもっと激しくしろだなんて言ったのか?
組み敷いた先にいるほの花の表情をまじまじと見てやっても顔を隠して恥ずかしがるだけで答えは出ない。
「…何だよ、どうした?物足りねぇの?」
そう聞いてやれば、少しだけ体をビクッと震わせて様子を窺うように見上げてきた。
(……は??……マジで?!)
ほの花は素直だ。
弱音は吐けないけど、情事中は自分の分かる範囲内で素直な感想をちゃんと述べてくれる方だ。
そして体も素直…なはず。
そうでなければ、先ほどまで体を震わせて鳥肌まで立てて絶頂をしていたのは何だったのか。
少なからず衝撃を受けて固まっているとほの花がおずおずと口を開く。
「物足りない…って言うか…、口づけ、されてるから意識が持ってかれて…、いつもみたいに…ぼ、没頭できない…っていうか…」
「…没頭できない?お前、ついさっきまで果ててたじゃねぇかよ。」
「そう、だけど…、いつもの方が…声、我慢しなくていいから…気持ちいい、んだもん…」
「…………あん?」
此れは俺への挑戦状か?
いや、ほの花に限って煽っているわけではない。
めちゃくちゃ素直に感想を述べているだけだ。
だが、そんなことを言われてしまえばこちらも声を出させないように極力優しく、果てすぎないように配慮していたことが馬鹿馬鹿しくなる。
(……コイツ……抱き潰す…!!!)
ほの花からしたら俺が眉間に皺を寄せた意味がわからないだろう。
ただいつもみたいに声出して、全てを放出するような絶頂に慣れ過ぎてて、今日のは果てるのに気が散ると言いたいのだろう。
だとしても、男としては屈辱以外の何者でもない。
「……覚悟はいいな?ほの花…?」
キョトンと首を傾げるほの花を見下ろすと口を手で塞ぎ、二本の指を秘所に問答無用に挿れ込んだ。