第9章 『実家に帰らせて頂きます』※
「身体…大丈夫か?」
私のことをおちょくっていると思い込んでいたのに降ってきた言葉が優しくて驚いて顔を上げると、そこには優しい顔をした宇髄さんがこっちを見ていた。
「お、やっとこっち見た。で?大丈夫か?痛くないか?」
「え、…い、痛く、なくないです…。」
「…分かりにくい日本語使うな。要するに痛ぇのな。」
「…う、…す、すみません。痛いです…。」
ヒリヒリするような鈍い痛みはまだ続いていて、腰も力が入らなさそうなので取り繕ってもどうせ彼にはバレてしまうと思い、本当のことを言う。
でも、そんな私を咎めることもせずに優しく抱き寄せると再び頭を撫でてくれた。
「何で謝るんだよ。今日は一日ゆっくりしてろ。体調悪いってことにしておいてやるから。」
「…宇髄さんはどこも痛くないんですか?」
私のことを労わってくれているが、昨夜私はされるがままでシてくれたのは彼ではないか。少しも疲れているような素振りもないのは何故だ。
「全く。何なら今からもう一発シろって言われたらするけど?」
「な、なっ!?」
「嘘だって。流石にそんなお前を抱けねぇよ。だけどマジで可愛かったなぁ…昨日のほの花。いや、今も可愛いけど。はぁ…次はいつかなぁ…。」
「え、な、や、え、えと…。」
本当に全く何ともないのだろう。軽々しく次のことを口にする彼に愕然としたが、私とて昨日の夜抱かれたことは嬉しかったし、今も幸せだと感じているので安易に否定はしない。
彼が望むなら今だって…と思うが、とてもじゃないが体がついて行けなさそうだ。
「控えめに言ってお前、マジで最高だったわ。」
昨日の私は本当に無我夢中でなされるがまま。
彼に最高だなんて言われるようなことは何一つできていないのにそんな風に言ってくれる宇髄さんに嬉しくて顔がにやけてしまった。