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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第41章 【番外編】「娘さんを下さい‼︎」※




泰君兄様にそう辛辣な言葉をぶつけると、呆れたような顔をして「はぁ…」とため息を吐かれた。

まるで"駄々を捏ねる妹に手を焼いている"みたいなその様子に私は奥歯を噛み締める。


「あのな、俺は心配してるんだ。お前、遊ばれてるだけじゃないのか?どう考えても女なんて選り取り見取りのスケコマシ野郎だろ。」


「な…!?ちがう!!天元はそんな人じゃない!私だけを愛してくれてるもん!」


「お前は鈍感だから気付いていないだけだろ?あの男はお前をたらし込んでうちの財産でも狙ってるんじゃないのか?」


「やめて!!天元の方がお金持ちだもん!!うちの財産なんて狙ってない!いい加減なこと言わないでよ!!」


出てくる言葉全てが違う。
違う違う違う。

天元はそんな人じゃない。
私が一番よく分かってる。
確かに口は悪いけど、実は凄く常識人で優しくて温かい人。
私が体調崩した時は絶対にそばにいて看病してくれるし、記憶を無くしていた時もブレずに私のことを待ち続けてくれた人。

記憶を消してしまったことも私を責めなかった。

そんな人が私を騙してるなんてことはあり得ない。
天元は誰よりも私のことを考えてくれている人。
ほんの少し会ったくらいで彼のことを一方的に悪者扱いされて、私が腹が立たないわけがない。

天元が許しても私は許せない。



「…ほの花、目を覚ませ。きっとアイツは女を手玉に取るような男だ。あの容姿で泣かせた女など星の数ほどいるはずだ。」


天元は確かに格好いい。
顔も素敵だし、体格も男らしい。
性格も豪快なのに優しいし、鬼殺隊の時も面倒見の良さで炭治郎達後輩にも好かれていたと思う。

結婚の許しを得にきただけ。
両親は許してくれてるのに、なぜこんな風にお兄様達に反対されて、挙げ句の果てに夫となる人にこんな暴言を吐かれなければならないのか。


「…もう…!出て行って!!」


「ほの花、俺はお前のためを思って…」


「本当に私のことを思うなら天元に酷いこと言わないで!!私の大切な人を悪く言うお兄様なんて……大っ嫌い!!!」



売り言葉に買い言葉だったかもしれない。

でも、許せなかった。
天元が許したとしても。

私にとって天元は生涯共に生きていく大切な人。
家族であっても悪く言われたくない。


それほどまでに大切で愛おしい人だから。

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