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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第41章 【番外編】「娘さんを下さい‼︎」※



不安な気持ちを隠し、悲痛な表情を浮かべていると宗一郎さんが徐に口を開く。


「天元くんはほの花の体が弱かったら嫁にもらってくれないのか?」

「…え?」

それは寝耳に水。
考えてもいなかったことで俺は目を見開き、彼を見つめた。

ほの花の体が弱かったら…?
嫁にもらわない?



「な、え?そ、そんなことあり得ません!!関係ないです!」

「それならそんなこと気にしないでいいんだよ。君の怪我を治したのはほの花の意志だ。私たちに謝ることはないし、成人した娘だ。大体のことは本人に任せているよ。」

「そうですよ。天元さん。気に病んだらいけません。あの子、今日は顔色も良さそうだし、あなたにならほの花を任せられます。よろしくお願いしますね。」



ちゃんと言って謝らなければ。
大切か娘の寿命を縮めてしまったかもしれないとずっと気にしていた。

ほの花の中では終わった話。
俺もどんなほの花でも受け入れるつもりだったし、大した問題ではない。


しかし、両親からしたら自分の娘がよく知りもしない男の怪我を治すために生死を彷徨ったなんて知ったら怒り心頭なのではないかと思っていた。


だからありのままの事実を伝えて、彼らの怒りをちゃんと受けることも夫として必要なことだと感じたから今に至るのだが、取り越し苦労とはまさにこのこと。


ほの花の両親は俺が思っていたよりも何倍も達観した考えを持っていて、お館様のような懐の広さを感じる。


「…勿論です。生涯通して愛し抜くことをお約束します。お義父さん、お義母さん。こちらこそ、よろしくお願いします。」


「ほの花の旦那様なら私たちの息子だもの。長い付き合いになるんだから堅苦しくならないでいいですからね。」


"息子"と呼んでもらえたのはいつぶりだろうか。
お館様も鬼殺隊士は自分の子供たちだと言ってくれていたが、今回はそれとはまた違う。


ほの花と出会って少しばかり温かい家庭に憧れていた。
自分はほの花とそういう家庭を築きたいと思ってきたのに、目の前の二人は俺のことも息子だと言ってくれる。


その言葉に胸が熱くなって、嬉しさで気恥ずかしくなった。
だけど、たったそれだけなのにその温かさを知ることができて、簡単に心が満ち足りていくのがわかる。


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