第41章 【番外編】「娘さんを下さい‼︎」※
天元の言う通り、口づけすら許してくれないだろうなぁ…。
でも、私は天元との口づけも…情交、も…凄く好き。
全身で愛してくれているのが伝わってくるからシてほしいとすら思ってる。
毎朝起きたら口付けてくれて、寝る前も必ず彼の口づけで終わる。
それが私の日課で、私たちの"当たり前"だから。
「…なら、今…シてもいい?」
お兄様達が何と言おうと私はこの人と添い遂げると決めてるし、やっと掴んだ"未来"なのだ。
幸せになりたいし、幸せなところをかつての仲間たちに見せたい。
きっと望んでくれていたと思うから。
彼の腰に手を回して、再び目線を上げてみると柔和な表情の天元が頭を撫でてくれた。
大きな手が頭を包み込むと、もう片方の手で腰を引き寄せられて温かい唇が己のそれと重なった。
天元の香の匂いが広がって、私の体に幸せが染み渡っていく。
触れるだけの口づけはあっという間に終わってしまう。離れていく天元の首に手を回すと精一杯背伸びをして自ら彼の唇に己のを押し付けた。
「…!?」
驚いた様子を見せる天元だけど、少しでも天元を感じたかった。
そんな私の意図を汲んでくれたのか彼はそのまま好きなようにさせてくれる。
いつも天元がシてくれるみたいに少し口付けては角度を変えて再び口付ける。
甘い温度が唇から全身へ駆け巡っていくと、体は勝手に反応してしまうもの。
唇を喰み、温度を堪能していると、今度は天元の舌が口内ににゅるりと入ってきた。
ザラザラとしたそれが私の舌と絡み合う。
くちゅ、と言う唾液が絡まり合う音は何とも卑猥だ。
こんな口付けをしてしまったら反応してしまうのは下半身で、私の顔は熱くなった。
「…ん、…てんげん…?」
「お前がやらしい顔して口付けてくるから止まらなくなったじゃねぇか。」
ニヤリと舌舐めずりをすると私の体を抱き上げて、い草の匂いが香る畳の上に横たえた。
見下ろされるその体勢はいつもの其れ。
私は彼の首に変わらず手を巻き付けると笑顔を向けた。
「…夜、ね?」
「わぁーってる…。流石に昼間っから嫁の実家で盛るのはやめとくわ。人格を疑われる。」
何度も言うがこう見えて天元は常識人だ。
その体勢のまま、どちらかともなく笑い合うと先ほどまでの空気は緩み、穏やかな空間に包まれた。